“山賊打線”の異名を取った超強力打線はすさまじかった。何点リードされても、いつかは逆転する――。相手を恐怖のどん底に突き落とす攻撃力で頂点に立った。しかし、CSで敗退し、日本シリーズには進めず。FAなどで主力も抜け、2019年は再び挑戦者として戦う。 [2018年成績]※成績部分の数字はリーグ順位
88勝53敗2分 勝率.624
792得点(1)、653失点(6)、打率.273(1)、87失策(6)
196本塁打(2)、132盗塁(1)、防御率4.24(6)

昨年9月30日、念願の優勝を札幌の地で決め、辻監督がナインから歓喜の胴上げ
開幕戦から打線が威力を発揮
プロ野球歴代3位、球団史上最多の792得点をマークした超強力打線の力で10年ぶりのリーグ優勝をもぎ取った。チーム防御率4.24はリーグワースト。しかし、“弱投”を打線がカバーして開幕から1度も首位の座を明け渡すことなくフィニッシュ。チーム防御率が最下位ながら優勝を果たしたのは2001年近鉄以来2度目の出来事だった。
相手を圧倒する超強力打線は開幕戦から威力を発揮していた。3月30日、
日本ハム戦(札幌ドーム)の3回。0対1のビハインドだったが、一死二塁で打席に立った
秋山翔吾から7者連続安打&7者連続得点をマーク。この猛攻撃もあり開幕戦に勝利すると、球団では27年ぶりの開幕8連勝と好スタートを切った。この間、1イニング5得点以上のビッグイニングを築いた試合が4試合あった。
さらに、4月18日の日本ハム戦(メットライフ)、だ。8回表終了時で0対8。敗色濃厚だったが、散発3安打に抑えられていた打線が8回裏に火を噴いた。打者11人の猛攻で一挙7点を奪取して1点差に詰め寄ると9回裏に
源田壮亮、
浅村栄斗の連打に
山川穂高が四球を選び、無死満塁のチャンス。ここで
森友哉が右中間へサヨナラ二塁打を放ち、史上初8、9回で8点差を逆転する勝利を遂げた。4月終了時点で19勝5敗、早くも2位・日本ハムに5.5ゲーム差をつけたが、序盤で破壊力ある打線を相手に見せつけたことは大きなアドバンテージとなった。
秋山翔吾は最多安打、浅村栄斗は打点王、山川は本塁打王を獲得。しかし、ただ打つだけではない。源田、
外崎修汰、
金子侑司ら足を使える選手がいたことも大きい。チーム盗塁数132はリーグトップ。“強打”に“足技”がかみ合った史上屈指の好打線でもあった。
CSでタカに敗退
投手陣は苦しんだが、補強が的確にはまった。開幕直前、トレードで
阪神から加入した
榎田大樹は11勝を挙げて先発ローテーションの核に。ブルペン陣は7月5日に
増田達至が抹消され、開幕時の救援投手の全員が二軍落ちを経験するほど崩壊気味だったが5月に
広島に在籍経験のある
ヒースをBCL・富山から獲得。7月末には
中日から左腕・
小川龍也、レッドソックス傘下から
マーティンを緊急獲得するなどフロントも懸命に策を練った。小川は中継ぎとしていい働きをし、8回マーティン、9回ヒースという勝利の方程式が確立したことで優勝へ突き進んでいった。
最終盤の9月、15日からの2位・
ソフトバンクとの直接対決で3連勝。優勝マジック11を点灯させると、27日からの3連戦でも2勝1敗と勝ち越し、マジックを1にした。そして、30日の日本ハム戦(札幌ドーム)。試合中にソフトバンクが
ロッテに敗れて優勝が確定、試合後に
辻発彦監督が胴上げで8度、宙を舞った。
しかし、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージではソフトバンクに2勝4敗(アドバンテージの1勝を含む)とリベンジを許してしまった。5試合で計44失点と“投壊”したことがその要因だった。
迎えた2019年。浅村、菊池、
炭谷銀仁朗の主力3選手がチームから去ったが、辻監督は「ピンチはチャンス」ととらえている。もう一度鍛え直し、新時代のチームを築き上げ、連覇を狙っていく。
躍り出た次世代ホープ 今井達也投手 未来のエース候補が刻んだプロでの第一歩
今季、エースの
菊池雄星がメジャーのマリナーズ入りを果たし、先発陣が手薄になる中でさらなる飛躍を求められるのが
今井達也だ。昨季、プロ初登板初先発した6月13日の
ヤクルト戦(メットライフ)でプロ初勝利を挙げるなど5勝をマーク。力強い直球と鋭く落ちるチェンジアップが効力を発揮した。しかし、本人は好不調の波がある点を課題とする。「いいときの投球を高い確率でできるようにならないといけない」。全球種の精度を高めることも期す。辻発彦監督からは2ケタ勝利を期待されている。未来のエースが3年目にどれだけ羽ばたくのか非常に楽しみだ。
担当が選ぶ 2018ベストゲーム 主将のガッツに燃えた!初回6点失うもサヨナラ勝ち

8.14 メットライフ
初回に6点を先制されてもあきらめることはなかった。本塁打攻勢で2点差までに詰め寄り、8回裏には森友哉と
中村剛也のタイムリーでついに同点に追いつく。迎えた10回裏、先頭の浅村栄斗が三ゴロで一塁へヘッドスライディング。一塁手の落球を誘うと、続く山川穂高も三ゴロで併殺を避けようと一塁へ頭から飛び込んだ。そのまま一塁に生きると、「すごく気持ちが入った」という森が左中間を破る打球を放つと、山川がヘッドスライディングで生還してサヨナラ勝ちを決めた。辻発彦監督は「1勝以上の価値がある」と笑顔。優勝へ向け、さらに勢いがついた。
2018基本布陣