WBC連覇で日本を世界一に導いた後、9年連続200安打というMLB記録を更新。次々と安打記録を積み上げていく中で、メジャーでもレジェンドの地位を確立した。だが、イチローはいつしか記録よりも、人を喜ばせることに幸せを感じていく。そして2019年3月21日、東京ドームでの開幕カード第2戦が、盛大な引退試合となり27年のプロ野球人生に終止符を打った。 写真=小山真司、高原由佳、Getty Images 
2019年3月21日、引退表明した試合後に東京ドームを一周しファンに別れを告げた
人から解放された瞬間
2009年、第2回WBCの激闘での精神的な代償は大きく、メジャー開幕前に胃潰瘍(いかいよう)を患ってしまう。開幕出場までぎりぎりの調整を続けながらも無念のメジャー移籍以来初となる故障者リスト(DL)入り。開幕から8試合の欠場となり、9年連続という偉業が危ぶまれた。
復帰は4月15日のエンゼルス戦。第5打席に満塁本塁打を放ち、華々しいスタートを切ったとともにこれが日米通算3085安打目。
張本勲(元
巨人ほか)の持つ通算安打記録に並ぶ。そして翌16日には右前打を放ち、張本の記録を超えて見せた。「張本さんが頂から見ていた景色がどんなものなのかを感じてみたかった」とコメント。開幕前の状態が嘘のように打ち始める。
その後、6月2日には自身が持つ球団記録の25試合連続安打に到達。最後は27試合連続まで伸ばした。「関心がないことはないが、そこまで執着することもない」とあくまでも9年連続200安打への通過点としかとらえていなかった。しかし・・・
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