昨年の外れ外れ1位ながらデビューから13試合連続無失点など甲斐野央が躍動したソフトバンクと、一本釣りの1位入団で7勝している松本航を擁する西武がデットヒートを展開したパ・リーグ。2020年も見据えた各球団のドラフト戦略、思惑と最新動向を追う(数字は9月15日現在)。 
甲斐野央
ソフトバンク・スカウト総動員でチェック。佐々木か、奥川か
ケガ人を多く出しながらも夏場以降、首位を走ってきたというチーム状況に加え、今年のドラフト候補の顔ぶれを考慮すると、既定路線どおり「総合的にその年最も評価が高い投手」が第一候補。中でも即戦力より将来性が重視されるだろう。「ポテンシャルが高く、スケールの大きな選手」と以前より熱視線を送る
佐々木朗希(大船渡高)や、甲子園でプロでも通用する素質を見せた
奥川恭伸(星稜高)らを中心とした高校日本代表選手はスカウト陣総動員でチェック。佐々木、奥川ともにさらに評価を上げた。いずれも伸びしろ十分な未来のエース候補だ。
西武・今年もやはり投手。エース候補と手薄な左腕を

松本航
今季もソフトバンクと優勝争いを繰り広げてきた西武だが、それも昨季同様、打線の力によるところが大きい。700得点超えと2位に100以上の差をつけて断トツ1位の得点力を誇る一方、チーム防御率は最下位。ゆえに、ドラフト戦力補強はまず投手力アップを念頭に置いた形になる。今ドラフトの目玉である佐々木朗希(大船渡高)、奥川恭伸(星稜高)、
森下暢仁(明大)といった将来のエースになる能力を擁する投手を手にしたいところだ。また、先発左腕も手薄なことから
及川雅貴(横浜高)、
河野竜生(JFE西日本)ら力のあるサウスポーにも狙いを定めるか。
日本ハム・佐々木朗希に早々ロックオン!外れ1位も模索
6月2日に吉村浩GMが他球団に先駆けて、163キロ右腕・佐々木朗希(大船渡高)の1位入札を「スケールが違いすぎる」という理由で指名を明言した。規格外の逸材に早々とロックオンしたが、競合は確実。外れ1位候補も高校生を中心に検討されているもよう。チームの補強ポイントは先発型の投手と強打の右打ちの内野手。投打で魅力の
石川昂弥(東邦高)、
西純矢(創志学園高)、左腕の及川雅貴(横浜高)らがリストアップされたと見られる。また、俊足や堅守といった特筆した個性を持つ選手も少なく、スペシャリストとなれるような素材も獲得したいところだ。
オリックス・ズバリ!長打力のある右打ち内野手
今年は“野手中心”の指名が予想される。若手投手が今季に台頭し、ファームにも好投手が多数。一方で野手は主軸の不振と故障で一気に得点力が落ちるチーム状況と層が薄い。中でも三塁はレギュラー不在、さらに右の長距離砲が少ないチーム事情とあって“長打力がある内野手”を中心に指名していくだろう。将来性ではU-18日本代表の四番に座った石川昂弥(東邦高)だが、即戦力なら社会人の
原澤健人(SUBARU)らが筆頭候補。佐々木朗希(大船渡高)、奥川恭伸(星稜高)の投手を評価しつつも、低迷が続くチームは“補強”を最優先するはずだ。
ロッテ・今年も勝負!右腕トリオに未来託して
2016年入団の
平沢大河、18年入団の
安田尚憲、19年入団の藤原恭大とドラ1で高卒選手を次々と獲得し、野手は将来へ向けて楽しみな布陣が整いつつある。一方、投手は上位指名で即戦力中心の戦略を取ってきたが、今年は「将来性のある若い投手」が1位候補になるだろう。近年は競合覚悟で勝負をしており、佐々木朗希(大船渡高)を筆頭に奥川恭伸(星稜高)、森下暢仁(明大)らを狙いにいくはずだ。正捕手・
田村龍弘の後継者も補強ポイント。ドラ2右腕・
東妻勇輔の弟である
東妻純平(智弁和歌山高)をはじめ、複数の指名もあり得る。
楽天・リスク回避で野手を一本釣り!?
石井一久GMが8月26日のU-18W杯壮行試合を視察し、最注目の佐々木朗希(大船渡高)、奥川恭伸(星稜高)、森下暢仁(明大)を「アマチュアBIG3だと思う」と称賛した。中でも佐々木については「場数を踏ませるプランを作らないといけない」と育成法にまで言及。ただしこの3選手はいずれも競合必至なだけに、リスクを避けて野手を指名する可能性もある。夏の甲子園を制した履正社高のスラッガー・
井上広大も評価上昇中だ。
2019ドラフト候補選手名鑑号より転載