令和初のドラフト戦線は構図がはっきりとしている。1位重複指名必至の3人の右投手はスーパースターの予備軍で、その下につける即戦力候補は投手を中心に粒ぞろい。希有なスター候補生か、即戦力投手か──。どの球団も最終的にはこの二択を迫られそうだ。それらも踏まえた上で、ドラフト1位選手を予想する。 
夏の甲子園準Vの星稜高・奥川[左]と、高校生史上最速163キロを投げる大船渡高・佐々木[右]に1位指名が集中する可能性も
スリートップの各特長は「将来性」「即戦力」「実績」
不動のスリートップが、令和初のドラフトを大きくリード。大船渡高・
佐々木朗希、星稜高・
奥川恭伸、明大・
森下暢仁の3右腕である。
特長を区分けしていくと、佐々木は「将来性」である。「高校生最速」と言われる163キロをマーク。岩手の先輩で、尊敬する人物にも挙げる花巻東高・
大谷翔平(エンゼルス)が3年夏(2012年)の岩手大会準決勝(対一関学院高)で計測した160キロを、4月6日(高校日本代表第一次候補として参加した、国際大会対策研修合宿のケース打撃)に更新した。トップギアに入った際のボールのキレはストレート、変化球ともに手がつけられないレベルにある。
一方で、発展途上の部分も……。今夏の岩手大会決勝(対花巻東高)を、大船渡高・國保陽平監督の「故障防止」との判断により登板回避している。常日頃から指導してきた現場や、当事者にしか分からない「事情」を抱えているようだ。いずれにしても無理は禁物であり、獲得したチームは入団後、緊密なコミュニケーションを取った上で、計画的な育成が求められる。とはいえプロの体が出来れば間違いなく、日本球界を背負う存在となるはずだ。
この春先の段階では、佐々木に全12球団が集中するのでは? とのNPBスカウトの声がネット裏のあちこちで聞かれた。つまり、ドラフトにおける1位は同時入札であるから「ヨーイドン!」で全チームが抽選に参加。そして、外れた11球団で第2回入札を再開する。そんな「夢物語」も現実に? という勢いがあったのも事実である。しかし、シーズンが本格化した春から夏を経て、勢力図に変化が・・・
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