リーグ優勝直後、まさにサプライズの引退発表だった。東京ドーム最終戦でもド迫力の本塁打。余力も余韻もたっぷり残し、集大成のドラマも予感させつつの、ひとまずの“さよなら”だった。 
9月27日の対DeNA戦4回裏、ライトスタンド中段に通算406号/写真=内田孝治
まさに慎之助劇場!
9月25日、引退会見。会場の受付で、背番号10のTシャツが渡された。へそ曲がりの記者(?)なら「いい歳をして、こんなの嫌だ」と嫌がりそうだが、渡す際、球団関係者が「着ていただけるならぜひ」と笑顔で一言。多少の強引さと、その裏にある繊細な気配り。これもまた、
阿部慎之助の“ラストセレモニー”にふさわしい演出だった。
慎之助劇場最終章のオープニングは、23日の神宮の
ヤクルト戦の後だ。ナインに引退を報告し、「一緒に日本一になって有終の美を飾らせてください」と語った。翌24日、甲子園での
阪神戦では9回に代打で登場。大歓声の中、過去、幾多の名勝負を繰り広げた
藤川球児と対戦し、空振り三振を喫した。
引退の経緯については、22日のヤクルト戦の後、
原辰徳監督と話し合い、「お互いの考えていることが一致した」とだけ話した。“悔い”や“限界”など定番の言葉はなく、「坂本(
坂本勇人)がキャプテンになって初めて・・・
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