学生スポーツの本分とは、言うまでもなく「文武両道」である。学業と野球に情熱を注ぐ4年間は、心身とも成長する貴重な時間である。大学野球界を記録、監督の視点から展望していく。 
2020年、学生野球の聖地・神宮球場ではどんなドラマが繰り広げられるか、目の離せない展開が続く
記録、数字こそがファン、NPBスカウトの興味を引く要素と言っていい。
東京六大学は「世代交代」の傾向が強い。投手、野手とも下級生時代から出場してきた最上級生が卒業。逆に旧3年生以下にチャンスが生まれ、ニュースター台頭が待望される。
現役最多勝は法大の右腕・
三浦銀二(3年・福岡大大濠高)と立大・
中川颯(4年・桐光学園高)の8勝。早大の左腕・
早川隆久(4年・木更津総合高)が7勝と続く。三浦は高校時代に高校日本代表でプレーし、法大でも1年春から活躍し、昨秋は守護神として圧倒的な投球を披露。本来は先発完投タイプで、20年春は大黒柱の働きが求められる。サブマリンの中川も主に救援を務めてきたが、最終学年は先発としての意欲も十分だ。151キロ左腕・早川は主将に就任。早大・
小宮山悟監督も4年時に経験した大役であり、期待の大きさを感じる。潜在能力を発揮できれば、手が付けられない存在となるはずだ。
野手における現役最多安打は慶大・
嶋田翔(4年・樹徳高)と早大・
瀧澤虎太朗(4年・山梨学院高)が36安打で並ぶ。嶋田は二塁打11本に、通算5本塁打と長打力が武器。瀧澤は19年春の慶大1回戦でホームスチールを決める視野の広さに加え、脚力とシュアな打撃でセンスの塊だ。続く33安打の慶大・
瀬戸西純(4年・慶應義塾高)は2年春から遊撃のレギュラー。通算打率は.213ながらも、19年ぶりに優勝した19年の明治神宮大会では10打数5安打6打点と打撃開眼し、最終学年は主将として引っ張る。4位の29安打をマークしている早大・金子銀佑(4年・早実)は、攻守で躍動した高校2年時の甲子園4強の印象が強く、大学で有終の美を飾りたい。なお、気の早い話だが・・・
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