『2020の球界を考える』の第3回は、現役時代は頭脳派捕手として広島の黄金時代を支え、引退後は広島監督や複数球団でのコーチも務めた達川光男氏。現在は母校の広島商高での指導も行っており、アマチュア球界にも接している同氏に、今季の球界のあるべき姿などをうかがった。 取材・構成=藤本泰祐 写真=宮原和也 
当面は無観客での開催となるプロ野球。そんな中でも選手はモチベーションを保ち、強さを見せていかなければならない
120試合は短くはないが差がつくと逆転は難しい
プロ野球がようやく開幕しました。日本のプロスポーツでは先陣を切ってスタートしたというのは、意味があると思います。アグリーメントで、120試合を行わないと1シーズンにならない、ということがあるんでしょう。120試合やるにはもうこの時期がリミットでしょうから、よくぞ決断してくれたと思います。
最初は無観客で、ファンともテレビやラジオの向こうとこっち、という感じにはなるけれども、とにかく野球の試合ができるということは、一歩前に進んだと言えますよね。
医療の専門家の方も、もうこのコロナウイルスとは付き合っていかなければいけないということを明言しているし、収束を待つ、というわけにもいかんのでね。何とか、検温したり、手洗いしたり、ソーシャルディスタンスを守ったり、いろんな工夫をしながら感染拡大をさせないようにしていって、お客さんを入れられる段階へ進んでいってほしいですね。メジャー・リーグなんかは、ちょっと開幕も難しいような感じですから。日本のプロ野球が開幕できたということは、私ら野球に携わっている人間としては、あらためて、そこに至る形を作ってくれた方々に感謝しなければいけないでしょうね。
交流戦とオールスターがなくなりましたが、それは仕方ないでしょう。できればCS(クライマックスシリーズ)もセ・パで歩調を合わせてほしかったですけどね。
ペナントレースの120試合というのは、そんなに短くはないと思います。私らのときは130試合だったし、そんなに変わらない。143試合から考えても、先発ピッチャーで言ったら、23試合を6人で回したら、1人につき4試合ぐらい少ないだけですから。打席数で言っても、1試合4打席立ったとしてもおよそ100打席少ないぐらい。まあ条件はみんな一緒なんで、タイトルなども十分認めていいと思いますよ。
戦い方としては・・・
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