今季は120試合制の短期決戦で混戦になると思われたが、セ・リーグは巨人が途中から抜け出した。他球団に比べて際立っていたのはリリーフ陣の層の厚さだ。巨人OBで現役時代は同じ立場で活躍した鹿取氏に話を聞いた。 取材・構成=牧野正 写真=山口高明 
シーズンを通して安定していた巨人のリリーフ陣。左から鍵谷、高梨、大江、大竹、中川
予想を上回った大江と高梨の活躍
MVPは開幕から13連勝を飾った菅野(
菅野智之)で間違いないでしょう。まさにエースの輝きでした。表のMVPは菅野ですが、裏のMVPを挙げるなら強力なリリーフ陣でしょうね。
鍵谷陽平、
高梨雄平、
大江竜聖、
大竹寛、中川晧太、そして抑えのR.デラロサたちです。
これだけリリーフ陣の層が厚いチームはほかになく、右が鍵谷、大竹、デラロサ、左が高梨、大江、中川と左右のバランスも取れています。まさに12球団一のリリーフ陣と断言できるでしょう。しかも今シーズンに限らず、近年まれに見る強力リリーフ陣だと思います。ほかのチームに行けばストッパーを任せられる投手ばかりですよ。それくらいの結果を残しています。
当初は中川-デラロサの勝ちパターンこそ決まっていたものの、その前が少し不安だったように思います。高木(
高木京介)は開幕ダッシュに貢献していましたが、大竹は不在、澤村(
澤村拓一)はなかなか力を出し切れていませんでした。その中で
楽天からトレードで高梨を獲得し、今年からサイドスローになった大江が出てきた。これは原(
原辰徳)監督にとってうれしい誤算だったでしょう。もちろんある程度の期待はあったと思いますが、まさかここまで完璧な戦力になってくれるとは思っていなかったように思います。
大江はオーバーハンドの本格派で、スピードのあるボールを投げていましたが・・・
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