今なお、アメリカでは新型コロナウイルスでの死者が増え続けている。今季のMLBは60試合に短縮され、日本以上にショックは大きい。その中でも海を渡ることを希望する日本人選手たちがいる。このパンデミックの中で、移籍は今までのような形で進められるのか、MLB移籍の現状をリポートする。 文=奥田秀樹 写真=Getty Images 
ポスティングシステムでメジャー挑戦の可能性が高い巨人の菅野。17年のWBCでの好投もあり、メジャーでも注目を集める
必要ならお金を出す傾向に
2019年シーズン、ドジャース、カージナルス、ヤンキース、カブス、エンゼルスの5球団が300万人以上を動員、30球団トータルでは7000万人を超えていた。それが20年は無観客で莫大な球場収益がゼロに。今現在、どのチームも一番の気掛かりは21年シーズンにファンをスタンドに入れられるかどうかである。当然、補強予算に直結する。
そこにビッグニュースが飛び込んできた。ファイザー社、モデルナ社が開発したワクチンが治験で95%、94.5%の有効性を示し、FDA(食品医薬品局)は12月10日に認可の是非を決める予定。アメリカ政府の科学主任モンセフ・スラウイ博士は来年5月までにアメリカの人口の70%がワクチン接種を受けることで集団免疫獲得が可能になると見積もる。一方で開発の拙速さ、安全性への懸念から、ワクチンに否定的な人も少なからずおり、免疫獲得にはもっと時間がかかると慎重論もある。21年については分からない。しかしながら22年は正常な状態に戻れるのではないか。トンネルの先に光が見えてきたのである。
そんな中、巨人の
菅野智之、
日本ハムの
有原航平と
西川遥輝がポスティングシステムで、
ロッテの
澤村拓一がFAでメジャー移籍を目指すことになりそう。ワールド・シリーズ期間中のロブ・マンフレッドMLBコミッショナーは「オーナーたちは大変な負債を抱えている」と主張し、21年各球団がサラリー総額を大幅に引き下げることを示唆した。(12月4日現在、4選手全員がメジャー挑戦を表明)
しかしながらオフになって1カ月・・・
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