3年ぶりのパ・リーグ制覇、4年連続の日本一を果たしたチームの中で、主力に負けない輝きを放った。開幕戦のサヨナラ打から始まり、日本シリーズMVPで締めた2020年シーズン。初めてだらけの毎日を、ガムシャラに駆け抜けた。 取材・構成=菅原梨恵 写真=小山真司、BBM 
日本シリーズ第1戦(11月21日、京セラドーム)、第1打席で巨人・菅野から先制2ランを放ち、チームを勢いづけた
苦しさの中で増えた引き出し
昨季までのプロ5年間で一軍出場は通算46試合。非凡な打撃センスは以前から定評があったものの、捕手登録の栗原陵矢にとって、一軍で試合に出続けることは決して簡単なことではなかった。「このままじゃいけない」と勝負をかけた6年目。試合に出るため、一塁、外野守備にこれまで以上に力を注ぎ、持ち前の力強い打撃にも磨きをかけた。自身初の開幕スタメンを果たすと、レギュラーシーズンは118試合に出場。日本シリーズではMVPに輝く活躍を見せ、気づけば2020年のチームを象徴する存在になっていた。 ――20年シーズンは、栗原選手にとってどんなシーズンでしたか。
栗原 いいこともあれば悪いこともあって、いろいろな経験をできた1年でした。
――具体的にいいこととは?
栗原 1年間ケガなく試合に出続けられたことですね。ポストシーズンにも出られて、しっかり戦えたかなと思います。でも(レギュラーシーズン)2試合、出られなかった。その点は悔しさしかないです。
――新型コロナウイルスの影響で、タイトなスケジュールなど例年にない難しいシーズンだったと思います。
栗原 僕自身は、昨年まで一軍の試合にはそれほど出ていませんし、今年が難しかったかどうかに関しては分からないというのが正直なところではあるんですが、・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン