有言実行だった。2年目の目標は「2年連続盗塁王」。120試合制の中で「31」個の盗塁。入団から2年連続30盗塁以上はセ・リーグでは67年ぶり2人目の記録となった。まさに貫録の受賞だが、それ以上に「盗塁=得点」につながる機会が多かったというシーズンで来季へ手応えを感じている。 取材・構成=椎屋博幸 写真=BBM 
初球からいかに効率よくスタートを切れるか考えながら2年連続の盗塁王を獲得した
効率のいい盗塁を目指す27
「2年目のジンクス」にはまったのか――。開幕直後の6月の10試合の打率は.128と苦しんだ。盗塁も6月は3個だけという状態だった。そこから打撃フォームを見直し、打率が徐々に上がっていく。打順も一番打者に固定され、足の状態、体調も上向きになった。そこから盗塁数も徐々に増えていった。 ――2年連続盗塁王おめでとうございます。目標は達成しました。
近本 ありがとうございます。盗塁数でいえば、少なかったと思いますが、目標であるタイトルを獲れましたので、そういう部分ではいいのかな、と思います。
――まずは目標を達成できたということには満足という感じですね。
近本 そうですね。そこは本当によかったことかなと思います。
――ただ、8月、9月の盗塁数がやや少ないように感じました。8月が7回のトライで5個の成功。9月が5回のトライで5個の成功なのですが、安打数が増えた(8月が38安打、9月が31安打)時期なのに……。
近本 少ないですよね? 実は安打数は増えたのですが、自分の中で“走れる”と思える機会が逆に少なかったんですよ。なので、そこで盗塁数を増やせなかったというのはありますね。体(足)のコンディションのことも関係はしてくるのですが……でも、それよりもこの期間は走る機会が少なかったというほうが一番正しい表現だとは思います。
――無理してまでも走る必要はないという感じだったんですね。
近本 はい、まさにそのとおりで、無理して走らなかったですね。自分のコンディショニングとともに、走り出すタイミングの問題や機会などもあって、そこまで無理をして、強行に走らなくてもいいという判断をしていた、という感じですね。
――この時期のコンディショニングを含め、その辺りが2021年への課題になりますか?
近本 そうですね。それと同時に・・・
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