新型コロナ感染による辞退、3日連続の雨天順延と異例ずくめとなった『第103回全国高等学校野球選手権大会』は、8月29日、智弁和歌山高(和歌山)、智弁学園高(奈良)の決勝で幕を閉じた。グラウンド以外でも交流があり勝手知ったる同士の戦いは、智弁和歌山高が持ち味の強打を爆発させ、夏3度目の優勝を果たしている。 
学校関係者が入場した内野席にあいさつしたあとの智弁和歌山高ナイン。このときは笑顔、笑顔だった[写真=高原由佳]
歓喜の輪はなし
最後のバッターを空振り三振で打ち取ったあと、投手の
中西聖輝は小さくガッツポーズをしたが、和歌山大会決勝と同じく、マウンドで歓喜の輪をつくることはなく、静かに整列に向かった。
「礼に始まり、礼に終わる。そのあとでみんなで喜べばいいと話していました」
智弁和歌山高のキャプテン、宮坂厚希が説明した。
中谷仁監督の指示ではなく、選手たちが自分たちで決めたことだったという。
21年ぶり3度目の夏優勝。笑顔のナインの反対側には、赤を基調とするほぼ同じユニフォームで涙を流す奈良・智弁学園高のナインがいた。
“智弁対智弁”は・・・
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