今季、中継ぎでヤクルトのリーグ優勝に大きく貢献したのが、清水昇だ。50ホールドをマークし、プロ野球記録を更新した。中継ぎ投手は、近年その重要性が高まり、認められてきた部分があり、記録や表彰のあり方も変化を経て固まってきたが、清水の快挙で、中継ぎ投手の記録にまた一つ重みが加わったと言えるかもしれない。 データ・文=永山智浩 
清水[ヤクルト]は10月17日のDeNA戦[横浜]で48ホールド目を挙げ、シーズン最多記録を更新した
ルーキー年は先発で苦戦も配置転換が功を奏し開花
今季、投手部門で新記録が生まれた。ヤクルトのリリーバー・清水昇が50ホールドをマークし、2010年の
中日の
浅尾拓也の47ホールドを3上回った。2位の
阪神・
岩崎優には9ホールド差をつけての堂々の新記録だった。
清水はドラフト1位で19年にヤクルトに入団。右の本格派の触れ込みで、先発投手不足だったチームとしては先発ローテーション入りの期待をかけた。開幕一軍はかなわなかったが、6月1日のDeNA戦(横浜)でプロ初登板初先発。しかし4回を投げ9安打を浴び5失点。その後4試合リリーフに回り、24日の
オリックス戦(神宮)で再び先発したが4回3失点。8月2日の中日戦(神宮)が3度目の先発となったが、このときも3回4失点。まったく結果を残せなかった。結局1年目は11試合に投げ0勝3敗、防御率7.27。先発3試合の防御率は8.18、リリーフでも6.60と期待を裏切る形となった。この年はファームでも17試合中15試合に先発。チームの方針は先発だった。

10月24日の巨人戦[神宮]でホールドをマークした清水は、史上初めて50ホールドの大台に到達した
ところが2年目の昨季、
高津臣吾監督が就任するとリリーフに配置転換され開幕一軍入りを果たす。開幕戦の中日戦(神宮)では、打者1人だけのリリーフだったが、きっちり抑えプロ初ホールドを記録。開幕から11試合連続無失点をマークし、その間7ホールドを記録。イニングまたぎの2イニングも2度経験し、リリーバーとしての適性を見せた。最終的には52試合に登板し30ホールド、30ホールドポイントを挙げ、
祖父江大輔、
福敬登の中日勢とともに、最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。
今季は開幕の阪神戦(神宮)では
サンズに決勝弾を浴び負け投手になったものの・・・
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