ここからは小社選定の『ビッグホープ賞』のインタビューを紹介する。ウエスタンの受賞者は10勝1敗という抜群の安定感でファーム日本一にも貢献した技巧派右腕だ。二軍ではルーキーながら先発の柱として活躍も、一軍では厳しい洗礼を受けた。2022年は二軍ではなく一軍で先発ローテに入ることを誓った。 取材・構成=椎屋博幸 写真=BBM 
ファーム日本選手権でも先発し、日本一にも貢献。それでもオフに技術を向上させ、22年は一軍の先発ローテに入ることを目指していく
うれしさ少し悔しさいっぱい
二軍では試したいことが試合で発揮できる。気が付けば10勝し、しかも1敗のみ。一軍への下地はできていたはずだった。しかし、2度のチャンスを生かせず。受賞したことはうれしいが、それ以上に自分の実力不足を痛感し、何が必要なのか知ることができたルーキー年だった。 ――ファームでは素晴らしい成績を残しました。しかし一軍の2度の先発機会は苦い経験となりました。
村上 ファームでは10勝(1敗)できたのですが、一軍では悔しい思いをしました。その中でルーキーイヤーの1年間は、しっかりトレーニングを積んで、投球フォームを固めていきました。
――そのトレーニングを積みながら10勝できた要因は何だったのでしょう。
村上 試合の中でいろいろなことを試していき、成功していくことで自信となって、勝っていったのではないかなと思います。
――具体的に試したこととは。
村上 一番は投球フォームを整えることを意識していました。また変化球の握りなども変えて投げてみたり、新しい球種を試してみたり、と自分に合ったものを見つけようとやっていきました。
――5月に一軍に昇格。5月30日(
西武戦=メットライフ)に初先発し、2回1/3で5失点でした。
村上 逃げのピッチングをしてしまいました。自分の投球ができなかったことが一番悔しかったです。そこが自分の課題だな、と気づかされました。やはり一軍の打者は、失投は絶対に見逃してくれないですし、力のない球は、簡単に打たれてしまうということが分かりました。首脳陣から「次がある」という言葉をいただき、次は自分のピッチングをしようと思っていました。
――その次は8月28日の
広島戦(マツダ広島)で2度目の先発でした。
村上 このときは左打者の内角にしっかり投げ込むという課題を持ってマウンドに上がりました。そして変化球の精度も高めて臨んだのですが、また前回と同じようなピッチングをしてしまいました(3回5失点)。とても悔しく、本当に自分に情けない気持ちでいっぱいでした。
――1度目とはまた違う緊張感の中で投げたのでは。
村上 1度目は、どこか経験のためという意味合いもあったかもしれませんが、2度目は結果を出さないといけないですし「頑張ってこい」と背中を押されてマウンドに上がりましたので……。申し訳ないという思いだけでした。
――では、2022年は一軍で明確な目標ができていますね。
村上 一軍で投げられるように、オフはしっかりと目標を立ててトレーニングをしていこうと思います。そして自分をいかに高めるかです。
――自分の中で一番、高めなければいけないと思っているものは何でしょうか。
村上 すべての部分ですが……一番は真っすぐのボールの強さ。そして変化球も精度をしっかりと求めていきたいと思っています。そして、開幕先発ローテーションを狙っていきたいと思います。
――この賞を受賞、そしてウエスタンの優秀選手にも輝きました。どう受け止めていますか。
村上 光栄なのですが、やはり一軍で活躍しないとプロ野球選手ではないと思っていますし、ファンの皆さんからも覚えてもらえないと思います。だからこそ、このオフで成長しなければいけないと思っています。
【2021年の投球成績】 一軍=2試合登板0勝1敗0H0S、防御率16.88
二軍=17試合登板10 勝1敗0S、防御率2.23
PROFILE むらかみ・しょうき●1998年6月25日生まれ。174cm75kg。右投左打。智弁学園高-東洋大-
阪神21[5]=1年目