昨季は自己最高となる12勝(6敗)をマークし、日本ハムのエースにふさわしい成績を残した。ドラフト6位入団からプロで大きく飛躍した右腕の下地は、高校3年間で磨かれていた。 取材・構成=滝川和臣 写真=BBM 去年はキャリアハイの12勝ですからね。ドラフト6位で入団してこれほどの成績を残せるとは想像もしていませんでした。本当によく成長したと思います。でも、プロの世界でもあれだけの努力をしていたら当たり前かなとも感じるんです。研究熱心で、周囲からいろんなことを学び、吸収しています。そうした本人の姿勢が結果につながっているように思います。
上沢は地元の中学(松戸市立第一中)から専松(専大松戸高)に来たわけですが、中学時代は無名の選手。正直、私は中学でプレーする姿は見ていないのです。確か入学手続きの締め切り間近に、ウチで野球をやりたいと連絡が来た。見れば、体が大きくて、柔軟性もありそうだった。やる気もありそうだったからスポーツ推薦で入ってもらったんです。
それほど期待もせずに入部してきた上沢ですが、投球を初めて見たときにショックを受けました。同時に「この子はプロでやらせてやりたい」と感じたのです。なんていうのかな、100球に2~3球、本当に素晴らしいボールをミットに投げ込んでいたんです。まだまだ粗さもあり、技術的にも体力的にも磨かなければならない部分はたくさんあったものの、強烈に光るものがあった。何とかプロの世界に送り込めば、レベルの高い指導で上に引き上げてくれるんじゃないかと感じました。あとは本人の気持ちが前向きなところも上に行かせたいと感じさせてくれました。
とにかく走らせた
上沢は1年春からベンチに入れて、2年春からエースとなりました。1年でベンチ入りさせたのは・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン