勝率が一時期、1割にも満たない状況は「暗黒時代より弱い」と揶揄(やゆ)されることも。実際にそうなのか――。そしてこの苦境をどうはね返すべきか、90年代の暗黒時代のエースで野球解説者の藪恵壹氏に聞いた。 取材・構成=椎屋博幸 写真=BBM 
暗黒時代には特に打撃陣の戦力が整わず、1990年から2001年まで8度の最下位を経験したが、現状は戦力が整っている
退任と開幕戦での大逆転負けの因果関係
現役時代に暗黒時代を体験しましたが、勝率が一番低かったのが1995年。46勝84敗で勝率.354。このとき覚えているのが、当時の
中村勝広監督が途中で急に明るくなって、そして休養したことです。
その次が98年の52勝83敗で勝率.385。このときは当時の一枝(
一枝修平)ヘッドコーチがベンチ裏で、私の隣で聞こえるように、吉田(
吉田義男)監督と意見が違っているような言葉を発しました。「首脳陣で意見が分かれているんだ」と思いましたし、監督が決めたことは絶対なので、負けが込むとベンチも暴走気味になるんだな、と思った記憶があります。
そんな暗黒時代と2022年の
阪神で大きく違う点は1つ。打線の力です。当時の打線は力のある打者、大きな打球を打つバッターがほとんどいなかった貧弱打線でした。しかし、現在はある程度しっかりとした打線を組めています。そして何より金本(
金本知憲)監督時代から指名してきたドラフト1位選手たちが主力を占めてきており、環境的には暗黒時代とは比べものになりません。
それでも、3勝16敗1分……。こういう事態になった要因は4つほどあります。1つ目は・・・
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