北の大地でハマのエースが堂々のピッチングを披露した。日本ハム戦に先発した今永昇太が9回を117球、無安打、1四球のみに封じる圧巻の内容で、プロ野球史上85人目(通算96度目)となるノーヒットノーランを達成。今季は4月に完全試合を達成したロッテ・佐々木朗希、5月のソフトバンク・東浜巨に続く3人目の快挙となった。 写真=高原由佳、BBM 
真っすぐがキレを取り戻したことで、変化球がより有効となる。去年から使い分ける2種のチェンジアップの威力も増した
笑顔なき快挙
9回裏、28人目の打者、
野村佑希を右への飛球に打ち取り、自身初のノーヒットノーラン達成にも今永昇太の表情が緩むことはなかった。しかも、見ている側が戸惑うほどの無表情──。試合を撮影したカメラマンが「誌面映えしない……」とガッツポーズすらない幕切れを嘆くほどだった。「そこまで深い意味はないんですけど、ここは僕たちのホームではないので、あまり大喜びしてもなって。そんな感じです」と理由を語ったが、実際には彼なりの照れ隠しであり、「9回は達成してみんながマウンドに来てくれることをイメージして投げました」と周囲の目を意識したパフォーマンスでもあった。
花束を受け取りベンチに引き揚げる前にマウンドを丁寧にならしたのは、「(用を足したあと)トイレットペーパーを三角折りにするのと同じ」と表現する完投勝利後の恒例儀式。日本ハム打線を前に2回に
清宮幸太郎に四球を与えたのみで、ほかのイニングは三者凡退とほぼ完璧な内容。9回117球無安打9奪三振、1四球の熱投で敵地・札幌ドームを“今永劇場”に変えてみせた。「まさか自分がノーヒットノーランをできるとは思わなかったです。何者でもない一投手の自分を、みんなが導いてくれました。ありがとうございました。そのとおりになってくれて、ほっとしています」。
記録達成を支えたのが最速151キロのストレートだった。
中日を相手に今季初勝利となる4安打完封勝利を飾った5月17日のバンテリンドームでも・・・
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