2年目右腕がまばゆいばかりの光を放っている。開幕から勝ちパターンの一角を占め、好投を続ける水上由伸。3年ぶりのV奪回へ向けて好位置につけるチームで欠かせない存在だ。何ものも恐れない揺るぎないメンタルで目の前に立ちふさがる相手をなぎ倒していく(成績は8月7日現在)。 取材・構成=小林光男 写真=井田新輔 よく寝て、よく食べて
2年目の今季、至るところに進化の跡が見える。例えばストレート。昨季は被打率が.256だったが、今季は.196と下がった。与四球率も昨季の5.33から今季は2.95と良化。ここまで44試合に投げ、4勝2敗1セーブ、23ホールドと好成績をマークしている右腕へのベンチの信頼度は高い。 ──今季と昨季の違いに関して「視野が広くなり、余裕を持っていられる」と自己分析していますが、それによりピッチングにはどのような変化が?
水上 1年目は捕手のサインに対して、何も考えずにガムシャラに投げていただけでした。今年は出されたサインの球種やコースに対して、捕手の意図をしっかりと考えながら投げられるようになりました。そういった意味で、より厳しく打者を攻められるようになったと思います。
──昨季はシーズン終盤、疲労がたまっていたそうですが、今季は問題ないでしょうか。
水上 そうですね。やっぱり、プロの世界に慣れてきた部分が大きいと思います。例えば遠征だったり、移動ゲームだったりというのは初めての経験だったので。そういう面でも体的にすごくきつかったですね。今年はホテルでの過ごし方もいろいろと考えています。夜遅くまで起きているのではなく、投げた日は無理やりにでも早く寝るようにしていますね。しっかり、睡眠を取れているので、今のところは全然大丈夫です。
──そこは変えずに、シーズン佳境に突き進んでいく。
水上 はい。よく寝て、よく食べて。時にはお酒を飲んで(笑)。たまに、一人で反省会もしないといけませんから(笑)。
──昨季の反省点としては「疲れてくると真っすぐがシュート回転してしまう」ことも挙げていました。
水上 まだシュート回転してしまうこともあるんですけど、今年は自分の中でもストレートに強さが出てきたなと感じています。ストレートでファウルを取れる場面がすごく多くなりました。手応えは十分にありますね。
──ただ、今季の球種割合を見るとスライダーが47.9%。昨季の33.4%より増え、今季はストレートよりも多く投げています。
水上 スライダーは自分の中で一番自信のある球種ですから。僕が投げるのは1イニングですし、全力で抑えにいくためには得意なボールを多く使うのが基本かな、と。スライダーが多いことに関しては、そういうことだと思います。
──では、投球の基本はストレートという考えは変わらない。
水上 はい、ストレートあっての変化球なのは間違いありません。
──主に勝ち試合の7回のマウンドに上がっていますが、意識していることはありますか。
水上 相手のラッキーセブンですからね。特にビジターの場合は相手のホームでファンがすごく盛り上がりますし・・・
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