ストーブリーグも佳境に突入する中、注目すべき3人が入団会見を行った。FA市場の目玉となった左腕、自ら自由契約を選んだ大砲、戦力外から古巣復帰を果たしたベテラン。それぞれの立場から、新天地を求めている。 ※年齢は2024年の満年齢 
巨人を自由契約となって中日に活躍の場を求めた中田は12月6日に入団会見を行った[写真=早浪章弘]
貧打解消の切り札
新シーズンへ向けて各球団が着々と陣容を整えていく中、先週もストーブリーグの目玉となった男を含む注目すべき3人が、新天地での入団会見を行った。
まずは
中田翔だ。今オフ、国内市場に出た中では最大の大物と言っていいだろう。巨人とは昨オフに3年の複数年契約を結んでいたが、選手側が契約を終了できる選択権が付与されており、中田はその権利を行使。12月1日に公示された保留者名簿から外れ、自由契約となった。
来季、巨人は
坂本勇人が三塁コンバートとなったことにより、主砲の
岡本和真が一塁に回ることを
阿部慎之助新監督は明言している。今季、
秋広優人、
門脇誠といった若手が飛躍を遂げ、新体制の移行により世代交代をさらに推し進めることは確実だ。一塁を主戦場とする中田の出場機会減少は必至で、自身も退団が発表された11月15日に「今の自分は、打席に立ち続けたい、グラウンドに立ち続けたい、その気持ちでいっぱい。そのようなチャンスをいただけるお話があればありがたい」とコメントしていた。
そのチャンスを真っ先に与えたのが中日だった。交渉解禁日となった12月2日、
立浪和義監督が自ら出向いて都内のホテルで交渉を行うと、中田はすぐに球団へ正式に入団の意志を伝えたという。見事にハートを射止めたというわけだ。12月6日の入団会見で中田は「中日さん、監督からの気持ち、すべて含めてうれしさもあり、自分の中で火がつくものがあった」と、落ち着いた表情ながらも強い決意を口にしている。
中田にしてみれば「チャンスを与えられた」のかもしれないが、中日にしてみれば是が非でも必要な戦力だった。球団初の屈辱となる2年連続の最下位。その原因がどこにあるかは誰の目にも明らかだろう。今季、12球団ワーストの390得点、1試合平均2.73得点の貧打線では、いくらリーグ2位のチーム防御率3.08を誇る強力投手陣でも勝ち目は少ない。オフに入ると自由契約となった野手を次々と獲得したのはそのためだ。巨人から
中島宏之、
ソフトバンクから
上林誠知、
阪神から
山本泰寛と育成で
板山祐太郎。ただ、指揮官が熱望していたのは長打力のある勝負強い強打者で、通算303本塁打&1062打点の中田は打ってつけの存在だった。
「非常に勝負強い、チームの勝ちにつながる選手。普通にやればドラゴンズを勝利に導いてくれると思う」と立浪監督。中日が用意したのは・・・
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