
井端監督は明確な意図をもってメンバーを選出した[写真=川口洋邦]
3月6、7日に開催される「侍ジャパンシリーズ欧州代表戦」に臨む侍ジャパンのメンバー28人が2月14日に発表された。11月に開催されるプレミア12に向けたチーム強化が大きな目的となる2試合だが、「バランスよく選べた」と語る
井端弘和監督は、その先も見越したメンバー選考を行った。4人の大学生の選出はその最たるものだろう。
昨年、侍ジャパン大学代表の臨時コーチとして指導したことを踏まえ、「守備はもう何も言うことがない」という明大・
宗山塁をはじめとする4人に対して「秋のドラフトでプロに入ってくるのは間違いない。すぐに侍に入る力がある」と高く評価。プレミア12だけではなく、2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)やロサンゼルス五輪予選を見据え、「大学生のうちに侍ジャパンのユニフォームに袖を通しておくこともプラスになる」と意図を説明した。アマチュア野球界の今後の大きなモチベーションとさらなる活性化につながることは間違いない。
4人の大学生だけではなく、一軍出場10試合の
広島・
田村俊介、
中日の育成出身・
松山晋也といった初選出の選手たちや、昨秋のアジアプロ野球チャンピオンシップ(APBC)組への期待も同様だろう。
ただの発掘の場ではない。四番候補の
ヤクルト・
村上宗隆、
ソフトバンク・
近藤健介、
西武・
源田壮亮といった5人のWBC世界一メンバーも選出した。侍としての「心得」を、国際経験の浅いメンバーに伝えてもらうのを期待してのことだろう。APBCでも同じ意図で
DeNA・
牧秀悟をチームに加えている。
若手の発掘、侍の魂の継承、WBC組と新戦力の融合など、2024年の侍ジャパンの船出には未来を見据えた明確な意図が散りばめられている。その上で指揮官は、「前回(15年3月の欧州代表戦)は1勝1敗だった。相手が力をつけているのは間違いないが、そこを打ち破って連勝したい」と意気込む。世界一の称号を守り、再び勝ち取るために。侍ジャパンがここから新たな歩みを進めていく。
■侍ジャパンシリーズ2024 欧州代表戦@京セラドーム 3月6日19時 日本×欧州代表
3月7日19時 欧州代表×日本
■侍ジャパン代表メンバー 選手名/所属/背番号
<投手>
山下舜平大/
オリックス/11
宮城大弥/オリックス/13
松山晋也/中日/15
種市篤暉/
ロッテ/16
森下暢仁/広島/18
金丸夢斗/関大/19
栗林良吏/広島/20
隅田知一郎/西武/21
渡辺翔太/
楽天/23
中村優斗/愛知工大/28
根本悠楓/
日本ハム/59
平良海馬/西武/61
<捕手>
古賀悠斗/西武/22
坂倉将吾/広島/31
山本祐大/DeNA/50
<内野手>
源田壮亮/西武/6
中野拓夢/
阪神/7
宗山塁/明大/10
紅林弘太郎/オリックス/24
石川昂弥/中日/25
小園海斗/広島/51
村上宗隆/ヤクルト/55
<外野手>
森下翔太/阪神/1
西川史礁/青学大/3
近藤健介/ソフトバンク/8
塩見泰隆/ヤクルト/9
田村俊介/広島/60
万波中正/日本ハム/66
■監督&コーチ 役職/氏名/背番号
監督/井端弘和/89
ヘッドコーチ/
金子誠/88
バッテリーコーチ/
村田善則/74
内野守備・走塁コーチ/
梵英心/77
外野守備・走塁コーチ/
亀井善行/79
投手コーチ/
吉見一起/81