
試合後、ヒーローインタビューに選ばれた村田怜音[左]、蛭間拓哉[右]とともにファンの声援に応えた
試合を観戦した
西武・後藤高志オーナーが「風格があって堂々として素晴らしい」と絶賛した。ドラフト1位ルーキー・
武内夏暉のことだ。5月11日の
楽天戦(ベルーナ)、先発した武内は7安打を許し、プロ最多の3四球を与えたが、「焦っても自分のペースが乱れるだけ」と意に介さない。3回以降、5度得点圏に走者を背負いながら、失点は6回、
辰己涼介に浴びた適時打による1点のみ。7回一死三塁の場面ではスクイズを仕掛けた
村林一輝を空振りに。同点を許さなかった。
7回1失点でマウンドを降り、チームの連敗を4で止める3勝目。「ストライク先行で進めることができたこと、ランナーを背負ってからも粘り強く投げられたことが最少失点に抑えられた要因だと思います。1点取られて、さらに追加点を与えたくなかったので、一つギアを上げて投げました」と武内は好投の要因を語ったが、西武の新人が先発で無傷の3連勝を飾るのは1981年
杉本正以来、43年ぶりの快挙。さらに初登板から5試合連続クオリティースタート(QS)をマーク。新人の初登板から5試合連続QSはパ・リーグでは4人目のタイ記録で、球団では99年
松坂大輔の4試合連続を抜く新記録だ。
5月12日現在、借金9の最下位に沈み苦しんでいる西武だが、武内のピッチングは一見の価値がある。
写真=川口洋邦