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西武・外崎修汰 書籍『マイペースでいいじゃん!』“トノ様”初の自伝! 発売前に重版決定!

 

埼玉西武の選手会長としてもチームをけん引する外崎修汰。プレー以外にも『パーソルパ・リーグTV』でユニークな変顔や、まとめ動画などでも大人気だ。その外崎初となる著書がベースボール・マガジン社より5月22日に発売となる。本の構成を担当した中島大輔氏が、ファンを惹きつけ、みんなから愛される外崎スタイルの魅力を、存分に引き出してくれた一冊となっている。
写真=桜井ひとし、BBM 文=中島大輔(本の構成担当)

「周りから『“超”マイペース』と思われたり、『変わっている』と思われていたりするかもしれませんが、自分自身は、至って“真面目”です──」


 チームの延長戦連敗記録を15で止めるサヨナラタイムリーを放った5月4日のソフトバンク戦(ベルーナ)のあと、西武ファンの大歓声を受けてヒーローインタビューのお立ち台に登った外崎修汰は目を赤くしながら感情を解き放った。

「今日が野球をやっていて最高にうれしいと言いますか、最高の日です」

 1点リードの8回表一死一、二塁でショートゴロ併殺を狙うも、二塁手の外崎の送球はファーストの前でワンバウンドとなり二塁走者の生還を許した。今季は打撃不振に悩むなか、守備でも手痛いミスを犯した。そんな中で飛び出した一打に外崎は安堵の表情を浮かべた。

不調時に漏らした「本音」


「トノは考え過ぎちゃうタイプだと思います。もちろん配球を読むことも必要だけど、基本は来た球を打つ。純粋にピッチャーと勝負することもやってほしい」

 殊勲打の3日前にそう話していたのが、外崎がフリーエージェント宣言して西武残留を決めた2022年オフ、秋季練習で打撃を一緒に見つめ直した高山久コーチだ。恩師とも言える同コーチが指摘するように、外崎は「考え過ぎちゃうタイプ」と言えるだろう。高山コーチに話を聞いた前日、外崎は打率1割台に沈み、チームも1点差の敗戦を重ねている苦しさをこう明かしていた。

「今のチーム状況で1点リードされるのは重いですね。チャンスは作ってくれているけど、僕はいい場面で回ってきてもチャンスを生かせない打席が多い。そこで何とかできていたらまた違うんでしょうけど。結果を出すためにいろいろ考えていますけど、いざ試合になったら悪循環というか、何とかしよう、何とかしようと自分を追い詰めちゃっている部分もあります。調子がいいときと悪いときの差で言ったら、そこは全然違うんで。何とかしたいとか思いつつ、難しいところじゃないですか。やっぱり人間なんで……」

他球団が「指名できない」選手


 筆者は西武入団1年目から外崎と取材対象として接しているが、独特な空気感を持った選手だ。青森県出身で純朴。一言で表現すればマイペース。大学まで本能的にプレーし「野球の流れも知らなかった」という。

 そんな話を育成力に定評のある某球団のトップスカウトにしたら、「うちでは絶対に指名できないタイプの選手。そこからプロ入り後に伸ばしていく西武はすごい」と率直に驚いていた。

 なぜ、外崎は西武でレギュラーになることができたのか──。

 球団やスカウトが獲得した選手の成否やプロセスを踏まえて“答え合わせ”をするように、上記のテーマを持って本書を読み直すと興味深い点がいくつも浮かび上がってくる。

「『まあ、仕方ないよ』と思える性格が良かったのかもしれません」

 外崎自身は客観的にそう分析した。

 メジャー・リーグでは「メイクアップ」という選手の内面がスカウト時に重要な指標になるように、性格は人の成長を大きく左右するものだ。

「マイペースでいいじゃん!」

 そう言い切る外崎はプロ野球選手として恵まれた性格に生まれ、両親に育まれたのだろう。同時に「考え過ぎちゃう」面もある。相反するような性格を備えるのは人間の性だが、外崎は自分自身をどうコントロールして成長させ、不振をどのように乗り越えてきたのか。

 外崎の幼少期から現在地までをタイムラインで知ることで、プロ野球で生き残る者の特性が見えてくるかもしれない。

PROFILE
とのさき・しゅうた●1992年12月20日生まれ、青森県弘前市出身。177cm82kg。右投右打。弘前市内でリンゴの農家を営んでいる家庭に生まれる。富士大時代は2年秋季リーグで北東北大学野球リーグの最多打点賞、3年秋季リーグで最多盗塁賞、4年秋季リーグで首位打者(打率.432)、ベストナイン(二塁手)、優秀選手賞を獲得した。4年生時は主将を務め、チームは春・秋連続優勝を果たした。2015年ドラフト3位で埼玉西武ライオンズに入団。ルーキーイヤーは二軍で70試合に出場し27個の盗塁を成功させ、イースタン・リーグの最多盗塁者賞とスポーツニッポンの選定によるイ・リーグの新人賞及びデイリースポーツの選定による技能賞を受賞。16年は自身初の開幕一軍入りを果たす。2017年は二塁や三塁、外野の守備に就くなどユーティリティー性を発揮し、自身初の規定打席にも到達した。第1回アジア プロ野球チャンピオンシップの日本代表に選出され、3試合で打率.462、1本塁打、4打点の活躍でMVPを獲得。2018年は打率.287、18本塁打、67打点、25盗塁という成績でチーム10年ぶりのリーグ優勝に貢献した。2019年は二塁手として固定され、自身初の全試合出場を達成。打率.274、26本塁打、90打点、22盗塁を記録し、チームのリーグ連覇に大きく貢献した。11月の第2回WBSCプレミア12の日本代表にも選出される。20年、22年には二塁手でのゴールデン・グラブ賞を受賞。愛称の「アップルパンチ」は外崎がホームランを打った際に用いられるなどファンの間でも大人気。24年は選手会長も務めチームをけん引する。


5月22日発売!
書籍『マイペースでいいじゃん!』

西武・外崎修汰 著 定価1870円[税込]
四六判 200項 ベースボール・マガジン社



【企画1】質問100本ノック!
 外崎選手に100個の質問をぶつけ、丸裸にしちゃいます!

【企画2】同級生トノ×ゲン『スペシャル対談』も収録!

 同級生ならではの、面白トーク炸裂! 大事なのは、慰め合い……?
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