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日本一の瞬間、マウンドで京都国際の歓喜の輪が広がった[写真=高原由佳]
甲子園球場100周年のメモリアルイヤーで決勝(8月23日)まで勝ち進んだのは京都国際(京都)と関東一(東東京)だった。ともに初のファイナルだが、引き締まったゲームが展開された。両軍投手陣の踏ん張りで0対0のまま延長戦へ突入する。10回からは無死一、二塁のタイブレークに入り決勝では初となった。先攻の京都国際が2点を奪ったが、その裏、関東一に1点差に迫られ、なお二死満塁。このピンチにマウンドの西村一毅は左腕を振り抜いた。カウント1-2から外角へのスライダーで坂本慎太郎を空振り三振(2対1)。その瞬間、両手を天に突き上げた。
「1日でも長く、この子たちと野球をやりたいと大会前に伝えたんですけど、まさかここまで来られると正直思わなかった。子どもたちにこんなおっさんに素晴らしい夏休みをもらえた、と。ありがとうのひと言です」と小牧憲継監督も感無量の表情を浮かべた。
京都勢では1956年の平安(現・龍谷大平安)以来68年ぶり5度目の優勝。低反発バットの導入で大会本塁打は前年の23本から7本に減少したが、京都国際は昨秋の新チーム発足時から公式戦で本塁打はゼロだった。今大会は6試合で6失点だったが、中崎琉生、西村の左腕2枚看板を中心に守りを固めて隙のない野球を展開。チーム一丸となって、頂点まで駆け上がった。