DeNAがシーズン3位からポストシーズンを勝ち上がり、日本一に輝いた今年のプロ野球。11月26日には都内ホテルで「NPB AWARDS 2024 supported by リポビタンD」が開催された。 写真=高原由佳、兼村竜介 
左から新人王の武内、MVPの近藤、菅野、新人王の船迫
セ・リーグのMVPは4年ぶり3度目の受賞となった
菅野智之(
巨人)。投手で3度の受賞は
山田久志(阪急)、
山本由伸(
オリックス、現ドジャース)に並ぶ歴代最多タイ記録だ。昨季は自己ワーストの4勝に終わり、「去年の今ごろは菅野がMVPを獲ると思っている人は誰もいなかったと思います」と振り返ったが、どん底から見事に復活。今季は15勝3敗、防御率1.67で4年ぶりの優勝に貢献。最多勝、勝率第一位のタイトルに輝いた。
「自分自身、まだまだやれるんだということを信じて、昨年のオフからトレーニングや自分自身を見つめ直すことに時間を費やしてきました。日本シリーズに行けなかったのは悔いが残りましたけど、それも含めて素晴らしい経験をさせていただいて、自分の野球人生で忘れられないシーズンになりました」
今オフは海外FA権を行使してメジャー移籍を目指しているが、夢舞台での活躍に弾みをつけたシーズンとなった。
パ・リーグのMVPには
近藤健介(
ソフトバンク)が初めて輝いた。今季は打率.314、19本塁打、72打点をマーク。自身初の首位打者を獲得したが、3割打者はリーグ唯一。硬軟自在のバッティングで4年ぶり優勝の原動力となった。
「初めてアワードに出席したのが2018年。そのときにMVPの方を見て、いつかは獲りたいと思っていたので。時間はかかってしまいましたけど、獲ることができてうれしいです」
プロ13年目で悲願を達成した近藤。来季は今季逃した日本一の称号を手に入れて、再びMVPを獲得したい。

奇抜な衣装で会場を沸かせた楽天・辰己涼介[中]。甲冑姿[写真]などで表彰を受けた
セの新人王には
船迫大雅(巨人)が選出された。球団では2022年の
大勢以来、2年ぶり21人目の受賞。2年目の今季、救援で勝ちパターン、ワンポイント、僅差の場面などあらゆる状況でマウンドへ。51試合に登板し、4勝0敗22ホールド、防御率2.37を記録。ペナントを奪還したチームに欠かせない存在となった。
「143試合ベンチ入りすることができたので頑張ったかなと思います」
新人王獲得に満足せず、来季は絶対的リリーバーとしてタイトルを狙っていく。
パはルーキー左腕の
武内夏暉(
西武)が新人王を獲得。昨秋のドラフトで3球団が競合した逸材は開幕から5連勝を飾るなど10勝をマーク。球団新人では07年
岸孝之(現楽天)以来の2ケタ勝利&規定投球回に到達し、リーグ2位の防御率2.17と抜群の安定感を誇った。
「入団時から新人王を目標としてきたので、それがかなってうれしい。来年は1年間ローテーションを守って、今年以上の成績を目指します。イニングもあと20回ぐらい(増やせるように)投げたい」
来季はさらに進化した投球で、成長した姿を見せることを誓った。
■2024NPB AWARDS主な表彰選手