
西武がロッテから獲得した平沢[右]。12月12日には入団会見が行われた[左は広池浩司副本部長兼編成統括][写真=桜井ひとし]
出場機会に恵まれない選手の能力を新天地で開花させ、球界の活性化につなげる現役ドラフト。3回目を迎えた今年は12月9日、非公開のオンラインによって行われた。2022年の第1回で指名された
大竹耕太郎(
ソフトバンク→
阪神)が12勝、
細川成也(
DeNA→
中日)が24本塁打を放ち、昨年の第2回では
水谷瞬(ソフトバンク→
日本ハム)が打率.287、9本塁打、
長谷川威展(日本ハム→ソフトバンク)が4勝6ホールドをそれぞれ移籍1年目にマーク。チャンスをつかむ選手は確実に増えているだけに、注目度は高くなっている。当日、NPBの公式サイトもアクセスが集中したため、ネットワーク障害が起き接続しづらい状況になったほどだ。
今年も昨年と同じく、“ドラフト1位”の選手が3人指名された。
平沢大河がロッテから西武、
矢崎拓也が
広島から
ヤクルト、
上茶谷大河がDeNAからソフトバンクへ移籍することが決定。12日には平沢、上茶谷の入団会見が行われ、「ポジションは空いているので、いろいろな可能性を持ってやりたいです」(平沢)、「開幕ローテを目指して2ケタ勝利を目標にしたい」(上茶谷)と、それぞれ意気込みを語っている。
畠世周(
巨人→阪神)、
浜地真澄(阪神→DeNA)と実績のある右腕の名前も呼ばれたが、
吉田賢吾(ソフトバンク→日本ハム)、
伊藤茉央(
楽天→中日)と2年目の選手も新たなユニフォームを着ることに。入団間もない選手だが、長いようで短いプロ野球人生だけに、早い段階で環境を変えることがプラスに働くか注目だ。
また、3回目で初めて2巡目の指名が成立。
鈴木健矢の日本ハムから広島への移籍が決まった。2巡目は参加を希望した球団だけで実施される。ただ、1巡目との違いは途中棄権が可能なことだ。結果的に1件しか移籍が成立しなかったが、選手のチャンスを広げることが第一義であるならば、もっと移籍しやすいシステムを構築する必要がある。
■2024年度現役ドラフト結果