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菅野智之オリオールズへ~1年1300万ドル~ 巨人から海外FA権を行使

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2024年シーズンは、見事復活を遂げた菅野


決め手は勝利への熱意


 4年越しの夢をかなえた。巨人から海外FA権を行使しメジャー挑戦をしている中、現地時間12月16日にオリオールズが契約合意を発表。19日にはオンラインでの会見が行われ、菅野智之はオリオールズのチームカラーを意識したネクタイを着用した。「常にメジャーへの気持ちは持っていた。しっかり成績を残した上で、もう一回メジャーに挑戦する気持ちでシーズンを迎えていた」と2024年に4年ぶりのMVP、最多勝獲得と結果を残したことがメジャー挑戦への後押しになったと語っている。

 菅野が所属するオリオールズはア・リーグ東地区に所属し、24年MVPを獲得したアーロン・ジャッジが所属するヤンキース、吉田正尚がいるレッドソックスなどメジャー屈指の激戦区。菅野が選んだオリオールズは、22年は首位に16ゲーム差をつけられ4位に終わったが、翌23年には101勝を挙げ、同地区で優勝。翌24年はヤンキースに3ゲーム差をつけられて惜しくも2位となったが、近年力をつけてきている。「本当にプレーオフ、ワールド・シリーズを勝ちたいという熱意が伝わってきた。日本では日本一になれなかったのでワールド・チャンピオンになれるようなチームと契約した」とオリオールズの勝利への熱意が決め手であることを明かした。

 チームの特徴は中心選手に若手が多いこと。特に捕手のアドリー・ラッチマンは、リーグを代表する若手捕手であり、「彼とバッテリーを組むのが今から楽しみです」と期待を寄せている。

2025年で27歳を迎えるラッチマンは、23年にシルバースラッガー賞を獲得した捕手だ


 優勝を狙うチームに加入する菅野に求められるのは、先発四番手としてローテーションをしっかりと守ることだ。MLBではここ最近、先発投手は年俸の高騰&長期契約の傾向があるが、年齢を考慮し状況判断を優先させた形で1年1300万ドルの契約となった。

 また、投手陣の24年のチーム防御率はリーグ8位の3.94と平均的ではあるが、先発にいたっては同4位の3.77とリーグ屈指の数字を残している。しかし、194回1/3を投げ15勝を挙げたエースのコービン・バーンズがFAとなり移籍の可能性が高く、現在規定投球回に達した投手は、7月にレイズから移籍してきたベテランのザック・エフリン(165回1/3)のみ(現地時間12月21日現在)。安定してイニングを投げられる先発投手の補強が急務なのが分かる。

 NPB通算12年間で、136勝を挙げ、MVP3度、沢村賞2度、最多勝4度など巨人のエースとしてチームを引っ張ってきた実績を買われたのだ。「とにかく1年間ローテーションで回れるように。そうすればおのずと結果はついてくると思うので、そういう働きをしたいです」と自信と期待を胸に海を渡る。20年に一度は断念したメジャー挑戦の夢をかなえた右腕は、今度はワールド・シリーズ制覇の夢を現実のものにする。

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