
壱岐高はV候補の地元・東洋大姫路高との1回戦で敗退。先制点を奪うなど、離島でも戦える姿を見せた[写真=早浪章弘]
第97回選抜高校野球大会は3月18日に開幕。大会3日目の第3試合は「満員通知」が出た(観衆4万)。全席指定席となった2021年以降では初。21世紀枠で春夏を通じて初出場の壱岐高(長崎)と、V候補で地元・兵庫の東洋大姫路高のカードだ。
昨秋の九州大会で8強に進出した壱岐高が一時、リードする展開を見せた。1回裏。調子が上がらない東洋大姫路高のエース右腕・阪下漣(3年)を攻め立て二死二、三塁のチャンスで「三振してもいいから思い切り振ったら抜けてくれた」と山口廉斗(3年)は明かす。右前適時打で2点を先取し、超満員に膨れ上がった一塁側アルプススタンドは歓声と手拍子でボルテージは最高潮に。1回表、東洋大姫路高の攻撃では一死一、二塁のピンチを抑え、その直後の先制打だった。その後、安打を浴びながらもエース右腕で主将の浦上脩吾(3年)は、コーナーを丁寧に突く投球で後続を断つ。試合は壱岐高がペースを握り、動き出した。
島が5センチ浮く!?
壱岐高は九州北部、玄海灘に浮かぶ人口2万4千人の南北約17キロの壱岐島にある。野球熱は高く、全国の離島の中学生で頂点を争う「離島甲子園」に出場した選手もいる。
部員25人全員が島内出身だが、島内には高校が2校しかなく、対外試合をするには船で島外に出て遠征しなくてはならない。博多港へ行くにも約1時間半。県大会が行われる長崎市内の球場へは、約1時間40分かけて佐賀県の唐津東港へ。そこからバスで、球場に向かう。移動時間がネックも、坂本徹監督は、その時間を試合の振り返りやミーティングをするなど有効活用。主将の浦上も船内での過ごし方が大事だと話す。
「天気によっては海がうねるときがあって、船酔いすることもあるんです。そんなときは、寝て体を休めます。移動に時間がかかるのは大変ですが、毎日の時間をうまく使うことの大切さを感じています」
壱岐高の球児たちの合言葉は「離島から甲子園」。昨秋の県大会では準優勝し、早くから注目を浴びていた。1月24日のセンバツ選考委員会で壱岐の名前が読み上げられると、校内は大いに沸き、島内で球児たちを見守るお年寄りや関係者などから声を掛けられることがさらに増えた。
3月上旬には組み合わせ抽選会と・・・
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