メジャーのマウンドで活躍することを夢見てアストロズと契約。打倒・ドジャースを掲げて、先発ローテーション入りした今井達也が実力を発揮できていない。マウンドの硬さや環境の変化に適応できず苦しんでいる。 文責=メジャーリーグ編集部 写真=Getty Images 
敵地のマウンドと気温に適応できず先発しながら初回一死のみで降板してしまった今井
信頼を得られない投球を見せてしまった。捕手が構えた場所とまったく違うコースに投げたり、死球を与えたりと立ち上がりから制球に苦しんだ。現地時間4月10日、マリナーズ戦に先発したアストロズの今井達也は、1アウトしか奪えず降板。1安打4四球1死球、3失点という厳しい内容だった。
「初めてこっちに来て、マウンドが硬いなと思ったのが第一印象。初めてのマウンドだったので、ちょっとうまくアジャストできなかった。これだけ寒いときに投げることはなかなか日本ではない。もともと、あまり制球の良い投手ではないですけど。そこの環境の変化とかに、まだ対応しきれてない」
この日は敵地のTモバイル・パークで、初めて上がるマウンドだった。シアトルの緯度47度は、北海道の北にある南樺太周辺と同じだ。スプリングトレーニングを行い好投を見せてきた、暑いフロリダ州とはまったく違う環境。さらに各球場ともマウンドの硬さや傾斜も違う。その中でいかにしてアジャストしていくのか……そこの課題が露呈してしまった。
持っている能力、資質は間違いなくメジャー先発投手の中でも上位に位置する。現地時間4月4日、カリフォルニア州のサクラメントでのアスレチックス戦では、5回2/3を3安打9奪三振の快投で初勝利を飾っている。アメリカでは、入団時からスライダーの曲がりが通常の曲がりとは異なったり、フォークのように落ちたりすることがネットのスカウティングリポートで話題になっていた。初勝利のときもこのスライダーが話題になったほど注目を浴びた。
だが、この試合では1イニングも投げられなかった。その後、チームは同点に追いつき負けは付かなかったが「信頼性」という点においては、かなり低くなった(6対9で敗戦)。メジャー・デビューで初先発となった地元でのエンゼルス戦(3月29日)でも2回2/3を3安打4四球4失点で降板しており、3試合中2試合を失敗しているだけに、今後、風当たりは強くなる可能性も秘めている。
エスパーダ監督は「前回は素晴らしい投球を見せたが、今日はストライクゾーンを見つけるのに苦労していた」と擁護したものの、次の登板ではいい結果を残すことが必至になってきた。
「セットポジションで投げている感覚が全然良くない。良い感覚でセットに入れるポジションをまだ見つけきれていない」

セットポジションからの投球も試行錯誤しているという。期待されているような投球ができるようになるには場数を踏むしかない
この日の登板後には、マウンドの硬さや傾斜の問題だけではなく、それに付随したセットポジションにも問題を抱えていることを自ら語った。問題は山積というところか。ドジャースを倒したいという強い気持ちで海を渡った。日本の野球とは大きく違う環境で投げていくことも百も承知であった。
しかし、実際にメジャーを経験すると、想像以上の隔たりがあることを痛感した。「数を経験していかないと修正方法は見つからない。場数を踏んでいくしかない」と今井は前を向く。次の登板では今回のようなミスはできない。いかに早くフィットできるかが、チームの信頼を得る近道となる。だが、11日に右腕の疲労を訴え検査を受けることになった(その後負傷者リスト[IL]入りした)。