今季の楽天のドラ1選手です。50メートル5秒9の俊足が最大の武器で、開幕一軍入りを果たし、開幕戦では守備からデビュー済み。第2戦ではさっそく初盗塁も決めています。守備、走塁に注目の集まる選手ですが、打撃面でも評価が高く、今回取り上げるのも、練習試合で右翼スタンドへホームランを放ったシーンです。社会人No.1内野手と言われていたのもうなずけるバッティングではないでしょうか。 
【チェックポイント】[4]外側体重△右足をやや内側に引き過ぎる

【チェックポイント】[8]スパイク裏をピッチャーに向ける

【チェックポイント】[11]肩口から最短でバットを出す[12]バットのヘッドを立たせる◎ラインの合わせ方がうまい

【チェックポイント】[14]左手の返し◎
【ポイント】左手の返し◎
リ
ラックスしながらも力の入るべきところには適度に力の入る、とても良い構えだと思います(写真1)。登録は168センチですが、立ち姿からはそのサイズを感じさせません。
この打席での最大の注目ポイントは高めのボールをとらえたあとの左手の返しでしょう。写真12〜写真14を見てください。インパクト後、写真14、写真15と左腕(左手)をかぶせるように返していますね。自然に(強引にかぶせるのはあまり良くないです)この返しができるのはとても良いことで、バットのヘッドを立たせて写真13のインパクトを迎えられるからこそできること。写真11、写真12の時点では差し込まれていそうな、やや窮屈な状況にも見えますが、バットを肩口から最短で出して写真13のように前でとらえることができました。ボールに対する(バットの)ラインの出し方もうまいですね。そしてここから左手を返すことで、しっかりとバットを振り抜き、球威に負けることなくスタンドまでボールを飛ばせたと考えられます。フォローも力強いですね。
さて、写真1の構えの直後に戻りましょう。非常に自然体でゆったりした構えの後、写真2でやや軸足(左足)後ろ側(外側)に体重が掛かってしまうのが気になるポイントです。小柄な選手ですから、軸足に乗せてパワーを生み出そうとしているのだと思いますが、踏み出していく際にキャッチャー方向へ力が逃げてしまう恐れもあるので(小深田選手のこの打席ではこらえることができています)、軸足内側に力を貯める意識を持ってみてはどうでしょうか。
また、ステップしていく側の右足も、軸足側に引いた写真5で、やや内側に向き過ぎているのも注意が必要です。これは軸足とのバランスをとる動きと考えられますが、内側に向く(ひねる)と、ステップしていくときに開いてしまうことがあるので、最小限に抑えたほうがいいですね。それでも小深田選手の場合、写真8、写真9のようにスパイクの裏をピッチャーに向けるように踏み出して開きを抑えていて(めくれがなく、カベができている状態。その意識があることの表れだと思います)、写真9のトップの形ではバットのグリップが後ろに残り、しっかりと割れができた状態でボールを待てています。ここで開いてしまっていたら、今回のような高めのボールをスタンドには運べなかったでしょう。(フォーム解説=
柴原洋)
PROFILE 小深田大翔/こぶかた・ひろと●1995年9月28日生まれ。兵庫県出身。右投左打。168cm69kg。内野手。神戸国際大付高から近大、大阪ガスを経て今季ドラフト1位で楽天入団。50メートル5秒9の俊足もさることながら、広角に打ち分ける打撃技術、内野ならどこでも守れる器用さも併せ持ち、社会人No.1内野手と言われた。