今夏の広島県大会で、古豪・盈進(えいしん)高が同校34年ぶりの決勝進出を果たした。 惜しくも甲子園出場は逃したが、その原動力となったのは右腕・谷中文哉だ。 しなやかな体から繰り出される直球はキレ味抜群。ストレートの最速は148キロに達し、プロ球団のスカウト陣からも注目を集めている。 卒業後は大学進学を視野に入れているが、心身ともに成長を遂げ、プロの舞台を目指すつもりだ 取材・文=新ヶ江周二郎 写真=石井愛子
古豪の躍進支えた本格派右腕の将来性 
▲小高い丘の上にある盈進高から見渡せる福山市をバックに。学校周辺の坂を走り、足腰を鍛えた
急勾配の坂で鍛えた足腰 広島県最西部に位置し、県内第2位の人口を誇る福山市。同市にある私立校・盈進高は、市街地を見渡すことができる小高い丘の上に建っている。「冬場は学校の敷地内や、近くの山を走って足腰を鍛えていました。かなりキツかったですね(苦笑)」
車で同校へ向かえば、シートの背もたれに勢いよく背中がついてしまうような急勾配に迎えられる。そんな坂道を上った先にあるグラウンドで、細身だが引き締まった体の右腕・谷中文哉は笑った。
端正なマスクにもスター性を感じさせ、校内で写真撮影を始めると、たちまち教職員や、同級生たちが教室から身を乗り出してくる。「めっちゃ、恥ずかしいです」。そう言ってはにかんだ笑顔からは、この地で充実した高校生活を過ごしてきたことが伝わってきた。
エースとしての“責任” 創立108年を誇る伝統校は、
永本裕章(元
中日ほか)、
江草仁貴(現広島)ら、幾多のプロ野球選手を送り出してきた。今夏は34年ぶりに県大会決勝進出。38年ぶりの甲子園出場は逃したものの・・・
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