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豊田泰光のオレが許さん!

開幕をジャマするのはだれだ!

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「何をいまさら」と「犯人探し」と「空とぼけ」の三重奏。やりきれない


 開幕直前になって、またプロ野球お得意の金がらみのゴタゴタが始まっちゃいましたねえ。タイミングが悪過ぎるよ、ホント。プロ野球が盛り上がらないから、こっちで景気づけだとばかり、メディアは騒いでますが、オレは、マジメに付き合う気はサラサラありません。

 ただ、読者も「豊田はどう考えるのか」と期待してる(?)かもしれませんので、オレなりにまとめてみましょう。でも、この朝日が火をつけた話題についてはこれっきりにします。

 まず3月15日付の朝日の記事。「何をいまさら」と思ったファンは多かったんじゃないですか。オレはここで横浜(現DeNA)が5億円以上払った那須野巧投手のことは何度も書いてきました。これは三井物産の社員の生涯賃金に匹敵することも書きました。横浜がやってることを、あの巨人サマがやらんワケがないでしょう。それを1面と社会面のトップで報じる神経が分からない。ほかにもっと大事なニュースがあるでしょうに。

 いやね、逆指名がスタートした93年に朝日が「自由競争を復活させたら、ウラ金が飛び交い、恐ろしいことになる。プロ野球は自分で自分の首を絞めることになる。絶対に逆指名はやめるべきだ」という一大キャンペーンを張ったのならまだ分かるんです。「それ見たことか」ですから。でも、そんなことをやった形跡はない。

 どこからか手に入れた巨人の内部資料を元に「どうだ。参ったか」とひとり悦に入っている、これが15日付の“スクープ”の裏側でしょう。さて、これをぶつけられた巨人=読売ですが、全然正面から受け止めていない。正面から受け止めるとは100パーセント開き直る、これです。

「金があるところが金を使うのがなぜ悪い。チームは金を使ってこそ強くなるんだ。その投資に見合った成果を上げているか?寝ぼけたこと聞くんじゃない。失敗することもあるのが商売。それを怖がって先行投資をしなかったら何も始まらん!」と朝日にぶつけ返したら、朝日はむしろ困ってしまうんじゃないですか。契約金をもらい過ぎたらしい6人の選手は別に法律に触れたワケじゃないんだから。朝日は第1報から前進できんでしょう。

 でも、巨人=読売は、ここまで開き直れんから「だれが内部資料を持ち出したのか」とホコ先を変え犯人探しみたいなことをやり始めた。

 そうなると、当然、球団の機密事項にかかわってきた清武英利前代表の名前が浮かび上がってきます。この人、「朝日の取材は受けていない」「資料は自分のところに回ってこないし、(保管してある)金庫の場所も知らない」と言ってますが、読者のあなた、素直に受け取れますか?

 清武氏の自著『巨魁』(WAC)の出版のタイミングと朝日の“スクープ”のタイミングを考えると、どうも話がウマ過ぎる。

 朝日も巨人=読売も清武氏も、ここまでの文章を読んだら、不愉快になることでしょう。でも・・・

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