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豊田泰光のオレが許さん!

三振とは何か?

 

 ヤンキースのイチローが、楽しそうに野球やってますよね。打率はマリナーズ当時とあまり変わらんけど13試合連続安打をマークするなど、オレが前に言った「1日1本」を実践してます。

 8月13日(現地時間)のレンジャーズ戦(ニューヨーク)では、メジャーで初めて九番に入りました。これってあらためてイチローに「いまのオレはそういう打者なんだ」というのを実感させたんじゃないですか。おととしの後半戦あたりから、イチローには一番、三番を打つのが重荷になってきていました。それでも万年下位チームでは、そこで打たざるを得なかった。イチローは今年で39歳。シングルヒットを打つのが仕事の打者なら、この年齢になったらメジャーでは七、八、九番がまあ、指定席でしょう。ヤンキースに移ったら、指定席が待っていた。で、イチローは心理的に解放されてノビノビやることができたのです。

 13日の試合、イチローは7回に足を生かして三塁打を打ちました。ヤンキースも九番が三塁打を打ってくれたら助かりますよ。続く一番のジーターが二塁打してイチローをかえしました。イチローの新聞の談話を引用すると「ジーターが打って僕が(本塁に)かえる。イメージとしてはいいなあ」(14日付朝日夕刊)。イチローの楽しそうな気分が伝わってきます。プロに入る前は、ヤンキースのユニフォームを着て遊んだというイチローですが、その夢がいまかなっている。

 この「イメージとしてはいいなあ」というセリフが大事です。イチローはね、下位打者でもいいから、いつでも優勝争いをするヤンキースでスターたちと一緒にプレーしたかったのです。その気持ちが「イメージとしてはいいなあ」に込められているのです。やっぱりね、イマジネーションというのが、スポーツを楽しむためには(やる方も見る方も)絶対に必要なのです。長嶋茂雄がファンの心をとらえたのはね、このイマジネーションをいくらでもふくらませてくれたからです。

1000三振第1号は豊田、第2号は野村克也。昨年まで52人が記録


 さて、ここから今週の本題ですが「イメージ」というのは恐ろしいものでね・・・

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