左腕不足から始まった今シーズン。
星野仙一監督は「左がいないんだよな……」というセリフを、これまでに何度も口にした。先発投手の柱となるべき
塩見貴洋、
辛島航の両左腕が開幕を前に離脱。左ヒジを痛めた辛島については「夏くらいだろう……」と指揮官は語っており、左肩を痛めた塩見も慎重に練習をこなしている。両投手とも復帰は後半戦になりそうだ。
現在の先発ローテ投手は絶対エースの
田中将大、新人で奮闘中の
則本昂大、
永井怜、
戸村健次、
菊池保則。そのほか、5月23日に
巨人打線にKOされて二軍落ちした
美馬学、開幕ローテだった
ダックワース、
釜田佳直に、
上園啓史と、今季、先発した投手はすべて右投手という非常事態だ。
昨年、8勝を記録し台頭した辛島と、一昨年、新人で9勝を挙げた塩見。ともに昨年秋のキャンプでは戸村、釜田、菊池と5人で星野監督直々のノックを毎日こなし、首脳陣が注目する先発ローテ候補「AKB闘将5」として今季の飛躍が期待されていた。釜田もフォームに悩み、不調のため二軍落ちしており、6月6日現在一軍にいるのは戸村、菊池の2人だけというのはさみしい現状といえる。
それでも新外国人、A.
ジョーンズ、C.
マギーの存在感と、野手陣の奮闘が光り、好位置につけているチーム。外野手の
牧田明久が左手首の腱断裂で離脱した以外は、大きな故障者もなくここまで来ている。
人員不足ながら、Aクラス争いを展開できている。後半戦、塩見、辛島が戻り、一線で力を発揮できるようになれば、優勝を目指す上で、これ以上ない戦力アップとなるだろう。