ファーム暮らしが続く
岩田稔がもがいている。平田二軍監督は「交流戦明けには戦力にならなくてはいけないピッチャーなのだから」と見守っているが、リーグ戦再開を控えて、どこまで調子を上げてくるか。
5月24日のウエスタン・リーグ対
オリックス戦(神戸サブ)では9回を9安打無失点で完封勝利。中西一軍投手コーチが「フォームを修正しないといいボールもこない」と分析。岩田も「上下のバランスを注意した」と少しずつ手応えを得ている。
本来は、能見とともに、先発ローテーションにおける左2本柱の1人だった。キレのあるスライダーを武器に潜在能力が高い。しかし、昨季の14敗が示すように安定感に欠けている。
5月4日の
ヤクルト戦(甲子園)で6回2失点で今季初勝利を挙げた。その好調もキープできず。11日のヤクルト戦(松山)では3回1/3を投げて6安打5失点KO。翌12日に2度目のファーム落ち。ここまでは期待外れの投球が続いている。
立ち上がりの悪さを指摘された岩田は、二軍で走り込みとフォームチェックを繰り返してきた。「僕は不器用なので余計なことを考えると体が動かなくなる。もっと大胆に投げないといけない」。岩田の復調は投手陣の負担が軽減されるだけに大きい。
リーグ戦再開となれば先発ローテーションも再考。中西投手コーチは「急がば回れじゃないけど早めに戻ってきてもらわないといけない」と言えば、和田監督も「高いレベルを求めているから」と早期カムバックを熱望。優勝争いを加速するためにも岩田の出直しは欠かせない。