プロ6年目で初めて一軍に定着している。守備の人と言われてきた
鬼崎裕司が、今季は課題だった打撃力を向上させてショートの定位置を確保。チームのムードメーカーが、欠かせぬ戦力として渡辺監督の信頼も勝ち取った。
「とにかくバッティング。打撃をなんとかしたい」と自らに言い聞かせてスタートした今季だった。5月29日の
DeNA戦(横浜)で初めて結果を示した。今季3度目のスタメンで延長10回、先頭打者で決勝点を呼び込む右中間突破の三塁打。「ここまで監督にチャンスをもらいながら結果を残せなくて悔しかった」。集中力を高め気合で打ち返した会心の一打だった。
昨年秋から打撃フォーム改造に着手。周囲の助言を吸収し、コーチのアドバイスを受け黙々とバットを振った。そこでバットを寝かせ踏み出す右足に柔軟性を持たせた新フォームが完成。スイングの力みが消え「バットのヘッドが回るようになった」。この好感触を体に染み込ませてきたという。
6月23日の
オリックス戦(
西武ドーム)で西武での初打点となる先制打をライト前へ。この時期から先発出場の機会が増え始め、7月と8月はほぼスタメンに名前を連ねるようになった。「集中してチーム打撃を心掛けて最後までいきたい」。下位打線で奮起する鬼崎は打撃で新境地を見いだした。
8月28日現在、73試合出場、45安打、16打点はシーズン自己最多を更新中。昨年までは守備固め、代走が中心の控え組だったが、
ヤクルト時代に学んだ教えがある。今季限りでの現役引退を表明した宮本の言葉。「控えの今だからこそバント、守備走塁のチームプレーを磨け」。この教えは、西武移籍後もプレーの根底にある。