岩田稔に休息はない。今秋キャンプでは11月12日に
オリックスとの練習試合(高知・東部)に2番手で登板。4回からの3イニングを1安打無失点で乗り切った。 フル回転していればキャンプ参加も免除されていたはずが、岩田が置かれた立場は厳しい。「ボールが指に引っ掛かっていた」。まさに復活への1歩を踏み出した。
1年前の契約交渉では2500万円増の推定5500万円で更改した。9勝13敗ながら防御率2.29が評価された。岩田は「勝てるピッチャーになる」と力んだが、その言葉どおりにはいかなかった。
今シーズンは開幕から苦しんだ。3試合連続の負けで、初勝利は5月4日の
ヤクルト戦(甲子園)までずれ込んだ。その間、制球を乱すなど安定感を欠いた投球で二軍行きを命ぜられて悩んだ。
その後、一軍昇格しても岩田は好調をキープすることができなかった。和田監督からも「同じことの繰り返し」と再びファームでの調整を強いられた。結局は9試合登板で2勝5敗のふがいなさだった。「今年、僕がしっかりしていればこんなことにはならなかった。すべては自分のせいだと思っています」
ウエスタン・リーグでは14試合(4勝5敗)に登板。投球フォームの修正など、再び一軍で戦力になるために懸けたがかなわなかった。もともと先発タイプだが、中西投手コーチら首脳陣は、リリーフとしての適性もチェックしている。
今オフの契約ではダウン提示が予想され、厳しい交渉が待ち受けている。貴重なサウスポーであることに変わりはない。岩田は逆風の中、再スタートを切る。