新たに就任した
長内孝打撃コーチが今季、
オリックスの命運を握っている。5年連続Bクラスとなる5位に低迷し昨年はチーム打率.2559、513得点で、ともにリーグワーストを記録。得点力不足が最大の課題となっているチームに、長内コーチが新たな風を吹き込もうとしている。
長内氏は1975年にドラフト3位で
広島に入団し、勝負強い打撃で84、86、91年とリーグ優勝3回、日本一1回に貢献した。引退後は94年~2005年まで広島の二軍打撃コーチとして新井貴、栗原らを育て上げた。12年からは四国アイランドリーグの徳島インディゴソックスの打撃コーチを務めており、日本プロ野球界には8年ぶりの現場復帰となる。
沖縄・宮古島春季キャンプでは、ここ数年ケガや打撃不振に陥っているT-岡田の指導役に任命された。「もっと潜在能力はある。やっている中で感じるものがあるでしょう」。二人三脚で1日1000スイングをノルマに早出&居残り特打に昼夜問わずに付き合った。T-岡田自身も「ラクしていい結果は出ない。『これぐらい振りこまにゃアカンの!』と言われました」と力を込めた。
連日の猛練習の成果はすぐに現れた。2月3日に行われた12球団一番乗りの紅白戦。4回の第2打席で右翼席へ消えていく12球団最速の今季1号ソロを放ち結果を残した。長内コーチも「徐々にバットが振れてきている。やってきたことが結果に残ることはいいこと」と笑顔を見せた。T-岡田以外にも2年間ケガに泣いた坂口、元首位打者の
鉄平ら復活に懸ける男たちの活躍が優勝するためには必要不可欠。長内コーチの熱血指導で長年の打力低迷を打破する。