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西田哲朗内野手・次代のホープが見据える頂

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 春に誓った言葉を形にした。「今年こそケガなく1年間を戦ってレギュラーを取りたい」。プロ5年目の今年は不動の遊撃手として君臨していた松井稼頭央という高い壁に挑み、レギュラーを奪い取った。9月25日現在、121試合で打率.255、6本塁打、34打点。決して満足のいく成績ではないが、確かな成長の跡を刻んだ。

 プロ初本塁打を足がかりにした。5月10日のロッテ戦(QVCマリン)で、藤岡から待望のプロ1号を放った。翌日の試合でも2試合連続アーチ。開幕直後はベンチスタートが続いたが、強打でチャンスを引き寄せた。松井稼はシーズン途中からプロ初の三塁、そして外野に挑戦し、遊撃では今季39試合に先発出場。西田はそれを大きく上回る83試合でスタメンに名を連ねた。

 9月9日のオリックス戦(コボスタ宮城)では、ヒザに痛みを訴えたA.ジョーンズに代わって四番にも座った。もともと星野監督が「ウチで一番いい素材のあるヤツ」と言うほどの期待を寄せる。結果、3打数無安打に終わったが、将来チームをしょって立つであろう西田に、首脳陣も惜しみなく経験を積む機会を与えた。

 まだチャンスをつかみきったとは言えない。「まだまだ、これからだと思います」と自覚はある。これまで股関節痛や腰痛などのケガに悩まされてきたことが、伸び悩む原因でもあった。

 5年目の23歳。連覇を逃したチームは、すでに来シーズンへと向かっているが、普段から食事を共にすることもあるA.ジョーンズからは「来年じゃないんだ。今やるかどうかが大事なんだ」と説かれた。一日、一日を大事に大きく羽ばたいていく。

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