期待どおりの働きだったとは言えないだろう。FAで
ロッテに新天地を求めた
涌井秀章の1年目は8勝12敗に終わった。本拠地QVCマリンでの初勝利は13度目の挑戦となった自身のシーズン最終登板、9月28日の
オリックス戦。「ここで勝てないのは悔しかった。来年はマリンで全部勝てるように頑張ります」と宣言。プライドをのぞかせた。
前半戦は苦しんだ。開幕から2連敗した後、4月15日の
西武戦(大宮)で7回2失点の今季初白星で全球団勝利を達成するも、思うように調子は上がらなかった。7月13日の
楽天戦(コボスタ宮城)では今季最短の4回KOで首脳陣も我慢の限界に達し、二軍での再調整が決定した。
光が差し込んだのは夏場を過ぎてから。9月3日の西武戦(西武ドーム)で8回1失点。力のある速球を武器にかつてのホームで初白星。下半身を意識したフォームで「去年の最後ぐらいの球がいった」と手応えを口にした。
続く9日の西武戦(QVCマリン)でも8回無失点。強打者
メヒアに150キロをマークするなど威力十分のストレートは復活を強く印象づけた。この日通算1500投球回も成し遂げ、「納得のいく投球はできた。この先2000、2500回へと積み重ねていければ」とうなずいた。
結局、後半戦は5勝4敗と勝ち越した。最後のマウンドできっちり白星をつかんだ右腕に伊東監督も「来年につながる」と前向きにコメント。ただ開幕前は「16勝を目標に」とハッパを掛けていただけに注文も忘れなかった。「(勝敗が)最低でも逆にならないと。来年は投げる試合は全部勝つぐらいのつもりでリセットして頑張ってほしい」。2年目に巻き返しを狙う。