坂口智隆が完全復活に向け歩み出した。高知・秋季キャンプに参加せず、自らの意思で神戸に残り一から体作りをスタートさせた。チームのキャプテン兼選手会長は「もう一度、勝負したい。一からレギュラーを奪う気持ちで来季に向けスタートです」と、連日バットを振り続けている。
納得できない自分がいた。今季取得した国内FA権は権利を行使せず残留。過去に最多安打のタイトルを獲得し、4年連続ゴールデングラブ賞を受賞した切り込み隊長は決断の理由を「悔しさ。優勝できなかったことと自分のここ3年ほどの成績。他球団の評価よりも、もう1回ちゃんとした成績を残したい。その気持ちの方が強い」と口にした。チームはあと一歩のところでリーグ優勝を逃し、クライマックスシリーズでは3位・
日本ハムに敗れファーストステージで敗退。自身も122試合で打率.235、2本塁打、40打点と不本意な成績に。定位置だったセンターのポジションも若手の
駿太に譲る機会が多くなった。森脇監督は
「キャプテンとしてチームを引っ張ってくれたが、彼は悔しいシーズンを過ごしたはず。来季は必ずやってくれると思う」と、坂口の復活に期待を込めた。
シーズンが終わりほっと神戸での秋季練習が始まると坂口は一軍主体のA組を離れ、神戸サブ球場に移動し個人練習に時間を割いた。秋季キャンプにも参加せず、若手に混じり打ち込みを繰り返す日々。
「久しぶりにキャンプに行かなかったけど、しっかり練習もできてキャンプ以上に体は疲れていると思いますよ」と、大粒の汗を流しながら充実の表情を見せた。
来季プロ13年目を迎える主将がレギュラーを奪い取る。