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涌井秀章投手・開幕白星でけん引

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 昨季まで5年連続で開幕のマウンドに立った成瀬はヤクルトに移籍した。大役の本命と目される涌井秀章は「そこに合わせていくつもりではある」と決意を口にした。

 投手としての栄誉だけではなく、涌井の意欲をかき立てるもう一つの要素がある。開幕カードで対戦する王者ソフトバンクに加入した松坂の存在だ。ともに神奈川・横浜高校出身で、西武時代にも同じユニフォームに袖を通した。「プロ入りからずっと見てきた背中。松坂さんと投げ合えれば成長できるかなと思う」と対戦を熱望する。そしてその舞台が開幕戦なら――。

「横浜高校的にはベストなんじゃないですか」。ちゃめっ気を交えて思い描いた。

 沖縄・石垣島キャンプのブルペンで初めて投球練習したのは2月4日。「ベース上で失速しない球をイメージしている」との言葉どおり、バランスの取れたフォームから力の込もった直球を投げ込む姿が目を引いた。第2クール初日の6日には捕手を座らせて投げ、伊東監督も「去年の今ごろと比べたら状態もだいぶいい。去年は感触を確かめるだけのような投球だった」と目を細める調整ぶりだ。

 チームにとっても、開幕5連敗を喫してスタートダッシュに失敗した昨季の二の舞いは避けたい。そのためにも開幕戦を制して弾みをつけられるかは重要なポイント。投手陣の柱と期待される涌井に対し、指揮官は「エースと言われる投手は、シーズンを左右する試合で、しっかり抑えられるかが条件の一つ。勝ち星以上に、そういう存在感を示してくれれば」と求めている。まずは3月27日、敵地ヤフオクドームのマウンドで期待に応える姿を見せたい。

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