ロッテのエースは苦しんでいる。首脳陣からエースに指名されている
涌井秀章は、6勝7敗(防御率3.75)という成績で前半戦を終えた。実力と実績を考えれば、やはりもの足りない数字である。
今季はロッテ移籍後2年目で開幕投手に指名された。開幕から2連勝の後に3連敗。その後は3連勝して2連敗。波に乗れそうで乗り切れていないというのが現状だ。
6月27日の
オリックス戦(QVCマリン)で通算99勝目を手にした。100勝を目前にしながら2試合連続で黒星を喫した。「あんまり意識はしてないですよ。でも、本当ならもっと早く、
西武にいるときに100勝は達成していなければいけない。遅いでしょ」。プロ11年目で節目を迎えるということに満足はしていない。せめて前半戦のうちに到達しておきたかったという気持ちもあるのだろう。
昨季までエースの座に君臨していた、横浜高の1学年先輩でもある成瀬が今季から国内FAで
ヤクルトに移籍した。「成瀬さんがいなくなった分、自分が引っ張っていかないといけない」という自覚を胸に今季はマウンドに立ち続けている。
ロッテは若手が多いチームだけに、首脳陣も成績以上に期待しているものがある。「例えば捕手を育ててほしいよね。うちの捕手陣は若い。そういう存在であってほしい。そして、チームが苦しいときにこそ流れを変える勝ちをもたらしてほしい」と落合投手コーチ。
2月の春季キャンプで涌井は、西武時代からの恩師である伊東監督の前で「最多勝を取る」と決意を語っていた。後半戦に怒とうの活躍を見せれば、その目標も決して夢ではないはずだ。