開幕から打線が低迷を続ける
楽天。8月25日の
オリックス戦(京セラドーム)では0対1で敗れ、100試合目にして今季初の単独最下位に転落した。チーム打率は.241、354得点はいずれもリーグ最低(25日時点)。浮上のきっかけがつかめないまま8月も終わろうとしている。
打線につながりを欠く現状で、打順も固定し切れていない。そんな中、九番打者としてスタメン出場しているのが6年目の西田哲朗だ。8月15日に今季4度目の一軍昇格。翌16日の
日本ハム戦(コ
ボスタ宮城)から岩崎に代わり、7試合連続で「九番・遊撃」で、上位につなぐ役割を担っている。
昨季は131試合に出場。今季は外野にコンバートした
松井稼頭央の“後継者”として飛躍が期待されたが、故障に泣いた。キャンプ序盤に自打球を当て左足甲を骨折。6月の交流戦中には、守備の際に左ヒザを打撲。再び戦列を離れた。昇格と抹消を繰り返した今シーズン。終盤に来て、挽回のチャンスがめぐってきた。
「チームに迷惑をかけた分、何とか取り返したい」。シーズン中、何度も口にした言葉だ。大型内野手として、本来ならばクリーンアップの後ろを打ってもおかしくない存在。だが、打率は.205と調子は上がらず、大久保監督は「なかなかいい形になってこない」と口にしながらも、我慢して起用を続けている。
今シーズンは松井稼、後藤らベテランが打線を引っ張ってきた。そこに若手が融合すれば打線に活気が戻る可能性は高い。その“切り札”的な存在としての起用とも言える。どん底からの脱却へ「九番・西田」の存在は、大きなウエートを占めそうだ。