緒方孝市監督はキャンプに手応えを感じている。野手陣は実戦で猛打が爆発するなど順調。石井、東出両打撃コーチのていねいな指導に加え、迎コーチ補佐が分かりやすく意図を説明する効果が出ている。
一人ひとりのビジョンを明確にした練習は、結果にも結びついている。個々のレベルが上がり、緒方監督は個人面談の機会を増やした。「どういう野球を目指していくのか、どういう考えかを相互理解するため」と言う。食事をともにする機会も増やした。大なり小なり波がある打撃だ。昨季はぶれることもあった戦術を徹底し、僅差の試合をもぎ取りにいく。
外国人枠の使い方が難しくなる。ルナが加わり、
エルドレッドに火がついた。仕上げが早く実戦でもアーチを連発している。スピード感があり、広角に打ち分けるプライディと外国人枠を争う立場で、モチベーションも高い。
投手陣では先発のジョンソンが一軍に名を連ねることは確定的。セットアッパー候補の
ジャクソンを含めて、最善の選択をしていかなければならない。
唯一の懸念は投手陣。昨季15勝の前田が抜けた。同等の活躍が求められたはずの大瀬良は右ヒジ内側側副じん帯部分損傷で開幕は厳しい状況。左の先発候補だった戸田も左手中指のまめをつぶして二軍に降格した。先発の枚数はギリギリの状態だ。「チームにとっても本人にとっても非常に痛い」と指揮官は頭を悩ませる。中村祐か、中村恭か、九里か。また、二軍組の奮起が必要不可欠となる。
故障者が出ている不安はあるが、おおむね順調。「キャンプに点数はつけない。シーズン後の順位が点数」と指揮官。言葉には自信も見え隠れする。