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西武 武隈祥太投手・成長を見せるタフネス中継ぎ左腕

 



 昨季に続き、開幕からフル稼働しているのが武隈祥太だ。開幕前に「鉄壁」と期待されたC.C.リー、高橋朋、増田の勝利の方程式のうち左腕の高橋朋がまさかの登録抹消。必然的に勝ちパターンの一人に組み込まれた。一方で今季は打線が粘り強さを発揮、先制され3、4点のビハインドを背負っても、逆転に持ち込む可能性も十分ある。

 そこで打線の反撃を待つためにも左腕であり、安定感ある武隈の存在がここでも必要とされているのだ。象徴的だったのが、4月21日からの4連投だ。いずれも1点差以内の接戦の展開で、首脳陣が連日、頼ったのが背番号48だった。「だいぶ無理をさせてしまったけど、どうしてもタケに頼らざるを得ない」(土肥投手コーチ)。

 それほどまでに全幅の信頼を勝ち取ったのは、昨季の課題をしっかり克服したからだ。昨季は対右.183、対左.311と圧倒的に左打者に苦戦した。だが、今季は対右.241、対左.265と大差はない。要因は「今年はスライダーが縦系にいくので、左打者からも空振りが取れている」ことが大きいと、同コーチは説明。さらなる進化を求め、懸命にキャンプから磨いたスライダーがチェンジアップと並ぶもう1つの武器として武隈に備わったのだ。非常に大きな収穫だ。

 中継ぎ左腕として小石、佐藤らが成長を見せつつあるが、「ここぞ」の場面での第一選択肢は武隈以外にはいない。これからも、勝敗を分かつ重要な場面には、常にマウンドに立ち続けることだろう。
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