15万4304票でパ・リーグ外野手部門の7位。昨季のオールスターゲームファン投票でなんとも微妙な人気だったのが、
ソフトバンクの
中村晃だ。2013年から3年連続の打率3割をマークし、最多安打(14年)のタイトルも獲得。侍ジャパンにも招集される日本球界を代表する打者だが、その成績と人気は比例していない。
5月23日。オールスターの開催要項発表会見に臨んだ全パを率いる工藤監督は「中村晃君。職人と言えるポイントゲッター。意外にも未出場なので、ファンの皆さん!よろしくお願いします」と個人名を出し、投票を呼びかけた。そう、球宴は未出場なのである。
バットを短く持ち、打てるボールが来るまでファウルで粘る。反対方向へのしぶとい流し打ちが光る。インタビューでも寡黙だ。今季5月6日の
楽天戦(ヤフオクドーム)でお立ち台に上がると、26回目の誕生日だったチームメートの高田を呼び、ファンの前でマイク片手に「ハッピーバースデー」を歌ったが「まあ、誕生日なんで」と、試合後はやはり素っ気ない。
ただ、指揮官の後押しもあってか、6月1日発表のファン投票の中間発表では「当選圏」の外野手部門3位に食い込んだ。その朗報を受けた中村晃は表情を変えないまま「1回は出てみたいですね。1回でいいですけど」と小声でポツリと言った。球宴は文字どおりお祭りだが、そこでこの玄人好みする背番号7の活躍が見られるのもまた、醍醐味かもしれない。