開幕から立ち位置を変えることなく、黙々と投げ続けている。勝ち試合はもちろん、同点、僅差の負け展開でも頼りにされる。
三上朋也はそんな存在だ。チーム最多の32試合に登板し、セ・リーグ3位タイとなる17ホールドを記録(6月15日現在)。ともに勝利の方程式を担う
パットン、山﨑康がそれぞれ配置転換を経験する中で、8回を絶対的なものにしている。「数字的なものはまったく意識しません。ケガをせずに1年間、一軍の戦力であり続けることが大事なので」。プロ4年目でありながら、ベテランのような落ち着いた振る舞い。「勝ちに貢献するために、与えられた1試合に全力を尽くす。それしかありません」と力強く言い切った。
大魔神・
佐々木主浩が去ってから、ベイスターズでは長く守護神不在が叫ばれてきた。泣きどころ解消の救世主として注目を集めたのが2014年。三上にとってのルーキーイヤーだった。
中畑清前監督がクローザーに抜てき。球団の新人記録を塗り替える21セーブ(当時)を挙げ、ブルペンに欠かせなくなった。
2年目は右ヒジ炎症などで21試合だったが、昨年は59試合と見事な巻き返し。山﨑康につなぐセットアッパーとして32ホールドをマークした。今年も5月17日の
広島戦(マツダ広島)で防御率5.63まで悪化しながら、そこから11試合連続無失点を継続中。さすがの一言だ。今季から新選手会長にも就任。サクサクと仕事をする姿は、実に尊い。