大歓声を一瞬でため息に変えてみせた。7月1日の
西武戦(メットライフ)。
オリックスは2回に一挙4点を先取も、その後に追加点を奪えず、西武にじわりじわりと詰め寄られていた。7回に中村のソロで2点差にされたが、8回の攻撃では三者凡退。その裏から登板した黒木も先頭の外崎をフルカウントの末、四球で歩かせてしまう。代打の栗山を迎え、球場のボルテージは最高潮に達した。
栗山は黒木の初球を完璧に捉えた。打った瞬間、沸き上がるスタンド。しかし、打球は中堅を守るオリックスの「鉄壁」
駿太に阻まれた。手前でバウンドしそうな当たりを前進しながら勢いよくキャッチ。その流れるような美しい守備で、一気に流れをたぐり寄せた。その後、黒木は源田、水口の上位打線を抑えピンチを脱した。チームもリードを守り抜いて勝利。守備に定評のある24歳は「あそこで抜かれたら一、三塁になってしまうので、緊張感はあった。基本的には全部捕るつもりで前に出ています」と胸を張った。
ウリは守備範囲の広さだけではない。5月28日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)では、強肩も披露した。1点リードの9回二死二塁から、中前に飛んだ当たりを体勢を崩しながら捕球。そのまま本塁に送球し、見事なレーザービームでアウトにした。「こういうときのために練習している。体勢が悪いときのほうが意外といいボールがいったりする」と振り返る姿は頼もしかった。絵になる守備でこれからもチームを救い続ける。