
フレッシュな力がチームに新風を吹き込んだ。写真左から清水、森本、石井一
会心のゲームだった。4月13日の
ソフトバンク戦(札幌ドーム)。3対2と1点差勝利に貢献した3人の若手がヒーローインタビューに呼ばれた。
森本龍弥、
石井一成、
清水優心。この日は
中田翔が故障と打撃不振で登録抹消。大谷も左太もも裏肉離れで戦列を離れていた。いきなり訪れた苦境の中でフレッシュな風がチームの窮地を救った。
森本はプロ5年目で初のスタメンに抜てきされ、2点目の起点となるプロ初安打をマーク。さらにチャンスを生かしたのが3年目の清水。左前適時打で貴重な追加点を挙げた。そしてルーキーの石井一も1点差に迫られた直後の4回に3点目をたたき出すタイムリー。相手先発は好投手の
バンデンハークだったが、要所で経験の少ない3人が必死に食らいついて難敵を打ち崩した。
試合後に石井一はこの試合へ臨む前の心構えを明かしている。
「何か若い力で出来ないかなと思っていた」
開幕直後からチームの看板が相次いで故障離脱する中で、それぞれがチャンスを得て、生かした。特に石井一は次代の内野レギュラーとして大きく期待され、1度も二軍落ちすることなく前半戦を戦い終えた。チームは依然として5位に沈むが、こういう試合もできることは証明した。
栗山監督は「必死に野球をやるしかない」と現状打破のキーワードを常に口にしている。喜びもそれ以上に悔しさを味わった若手の奮起が、後半戦の巻き返しの一番の原動力になる。
写真=高原由佳