
後半戦は厳しい投球が続いている石川柊太だが、踏み止まれるか
大卒かつプロ4年目の25歳だが、『スター選手への登竜門』とも言える称号を狙える位置にいる。すい星のように現れ、故障者が続出した先発ローテーションの危機を救った石川柊太。
出番は突然やってきた。5月31日の
中日戦(ヤフオクドーム)でプロ初先発すると、6回2失点で初勝利。球宴前の前半戦を終えた時点で4勝2敗1ホールド、防御率1.99と、立ち位置を確固たるものにした。
「結果は意識しません。投げた後のことはどうにもならない。目の前の1球を後悔なく、投げ切ることが大事だと思っています」
指の先端まで意識を集中させ、全力を尽くす。その意識は結果につながっている。6月7日の
ヤクルト戦(ヤフオクドーム)、27日の
日本ハム戦(同)でともに12奪三振と、破壊力ある豪腕ぶりを披露。直球は150キロを超え、石川の代名詞になっている、創価大時代に身につけた元ヤクルト・
伊藤智仁(現ヤクルト一軍投手コーチ)のスライダーと同じ握りの“パワーカーブ”は、バットにかすらせもしないほどの切れ味を有している。前半戦を折り返し、規定投球回には未到達ながら63回1/3を投げて、被安打37。被打率.171はリーグトップを争える数字だ。
大本命の
西武・
源田壮亮はいるものの、
オリックスの
山岡泰輔、
黒木優太らとの第2集団にはつけている。「暑いのは苦手ですが、体調はしっかりと整えていきたい」。酷暑の夏場に繰り広げる
楽天とのデットヒート。そこでの活躍はそのまま、背番号29を新人王へと導く。
写真=湯浅芳昭